モロッコで芳しい香り漂わせる中国茶

人民網日本語版 2022年12月05日15:29

モロッコの首都ラバトに向かう飛行機で、客室乗務員が乗客一人ひとりに「コーヒーとお茶のどちらにしますか?」と聞いている。モロッコはミントティーがとても有名なので、試してみようと頼んでみたところ、客室乗務員はウインクしながら、「この茶葉は中国産の緑茶なんですよ」と教えてくれた。新華社が報じた。

熱々のミントティーを飲むと、すっきりとしたミントの香りが広がり、とてもフレッシュな気分になる。モロッコで愛されているミントティーは、緑茶と砂糖、ミントで作られている。

取材に応じてくれた宿泊先ホテルのフロントマンのアラーミ·ハッサンさんは、「モロッコ人は茶を飲むのがとても好きなんだ」と話し、まるで手品のようなしぐさで、カウンターの下からなんとも美しい銀製のティーセットを取り出し、客がいない時にはこうして茶を飲むのだと見せてくれた。

そして、「朝起きて、まず最初にやることは茶を飲むこと。濃いめの茶をポット1本分作って、繰り返しお湯を注いでは飲む。こうやって1日のうちに何倍も飲むんだ」とハッサンさん。

茶は、モロッコの国民的な飲み物であるものの、モロッコでは茶葉は生産されておらず、人々が普段飲む茶葉のほとんどは中国産だ。統計市場調査プラットフォーム「スタティスタ」の統計によると、2021年、中国から最も多く茶葉を輸入した国がモロッコだった。

ラバトの各大型スーパーに並ぶ茶葉のパッケージには、目立つ場所に中国のブランド名が書かれていたり、現地の言語で中国産であることが表示されていたりする。これらの中国産茶葉の品種は主に「Chun Mee(チュンミー)」と「Gunpowder(ガンパウダー)」の2種類だ。

その昔、中国の茶葉はシルクロードを通じて、アラブ諸国を経て、さらには欧州へと輸出された。中国の茶葉は今も世界中、特に北アフリカや西アフリカで人気が高い。

統計によると、2021年、中国は約23億ドル(1ドルは約134.7円)相当の茶葉約36万9千トンを輸出した。そのほとんどが北アフリカ諸国や西アフリカ諸国に輸出されている。2019年、アフリカで1社目となる中国茶葉の会社がモロッコで設立した。このように中国茶の影響力はアフリカ大陸において高まり続けている。

アラブ人と中国人の茶の飲み方や習慣は異なるものの、どちらも茶を客をもてなすための最良の飲み物としている点は共通している。浙江省のある貿易会社の責任者・葉向東さんによると、北アフリカのマグリブでは、客を歓迎する場合、通常3回に分けて茶を出し、もてなすのだという。現地の古いことわざでは、この3杯はそれぞれ、「忠告」、「助言」、「祝福」を意味している。1杯目は死のように苦く、2杯目は生活のように濃く、3杯目は愛のように甘いのだという。

11月29日、「中国の伝統的製茶技術とその関連習俗」が、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の審議を経て、「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に登録された。そのニュースを聞いて、ハッセンさんは、「モロッコ人はみんな中国茶を飲んでいる。中国茶が無形文化遺産になり、とてもうれしいし、親しみを感じる」と心から祝福した。

モロッコ人が最も好む緑茶のほか、中国には紅茶や黄茶、黒茶、白茶、ウーロン茶、花茶といった2000種類以上の茶があるほか、茶を飲み、それを味わう習慣が中国人の生活に溶け込んでおり、茶で客や親戚、近所の人、友人をもてなすことを知ったハッセンさんは驚きを隠さず、「機会があれば是非中国の茶文化について学びたい」と語った。

そして、「もちろん、中国人にもモロッコの茶文化をもっと知って欲しい」とした。(編集KN)

「人民網日本語版」2022年12月5日

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