習近平国家主席は1日午前、ミシェル欧州理事会議長(EU大統領)と北京の人民大会堂で会談した。新華社が伝えた。
習主席は「ミシェル議長がEUの加盟国全体を代表して中国共産党第20回全国代表大会(第20回党大会)閉幕後ほどなくして訪中したことは、対中関係の発展に関してEUが良い意向を持っていることの表れだ。中国EU関係が前向きで上向きの基調を維持し、互恵・ウィンウィンを堅持することは、中国とEU及び国際社会の共通利益にかなう」と指摘。中国EU関係の発展について、次の4つの必要性を挙げた。
(1)正しい認識を堅持する。中国とEUの間に根本的な戦略的溝や衝突は存在しない。中国は覇権を唱えることを望まず、今後も制度を「輸出」することはない。EUの機関と加盟国が客観的かつ正しい対中認識を確立し、対中政策において平和共存を堅守し、互恵・ウィンウィンを堅持し、冷戦思考とイデオロギー的対立を乗り越え、制度的対立を乗り越えて、様々な形態の「新冷戦」に反対することを望む。
(2)意見の相違を適切にコントロールする。中国とEUは建設的姿勢で意思疎通と協議を継続するべきであり、そのために肝要なのは互いの重大な懸念と核心的利益、特に主権・独立・領土保全を尊重し、相手の内政に干渉せず、中国EU関係の政治的な基礎を共同で守ることだ。
(3)より高水準の協力を繰り広げる。双方はマクロ経済政策の協調を強化し、市場・資本・技術の強みによる相互補完を強化し、デジタル経済、グリーン・環境保護、新エネルギー、人工知能(AI)など新たな成長のエンジンを共に創り、産業チェーンとサプライチェーンの安全性・安定性・信頼性を共に確保し、デカップリングや産業・サプライチェーンの分断、保護主義に共に反対し、経済・貿易・科学技術交流の政治化と武器化に共に反対する必要がある。
(4)国際協調・協力を強化する。双方は気候変動対策、生物多様性の保全、エネルギー安全保障、食糧安全保障、公衆衛生における世界的な努力をリードし、各々の質の高い公共財や協力プラットフォームの連携協力を強化する必要がある。EUが「一帯一路」(the Belt and Road)の共同建設とグローバル発展イニシアティブに参加し、EUの「グローバル・ゲートウェイ」構想と有機的に連携させ、既存の様々なメカニズムを通じて、各分野の対話や協力が一層の成果を収める後押しをすることを歓迎する。
ミシェル議長は「EUは『一つの中国』政策を堅持し、中国の主権と領土保全を尊重しており、中国の内政に干渉することはない。EUは中国の信頼できる、予測可能な協力パートナーであることを望んでいる。中国側と次の段階の上層部交流をしっかりと行い、直接の対話や協力を通じて、誤解や誤った判断を減らし、意思疎通と協力を強化し、エネルギー危機、気候変動、公衆衛生など世界的な課題により良く共同で対処することを望んでいる」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年12月2日