急激な円安が続き、これまでずっと「時機をうかがってじっとしていた」日本政府と日本銀行(中央銀行)がついにいても立ってもいられずに動き出した。米連邦準備制度理事会(FRB)は現地時間の21日、金利を75ベーシスポイント引き上げ、大幅な利上げを行った。22日には日本円の対米ドルレートが急落して1ドル145円台に達し、日本は24年ぶりの為替介入を実施せざるを得なくなった。「環球時報」が伝えた。
持続的な円安の影響を受けて、ドル建てで計算する日本の国内総生産(GDP)の規模が30年前の水準まで落ち込んだ。このほど経済協力開発機構(OECD)が発表した予測では、日本の今年の名目GDPは553兆円になり、米ドル換算では3兆9千億ドルとなり、世界3位である日本の経済規模は4位のドイツ並みになるとみられている。日本の経済規模が4兆ドルを下回るのは1992年以来初めてのことだ。円安が続くか低水準で推移するなら、来年の日本のGDP規模も4兆ドルを下回る見通しだ。
日本の野村総合研究所(NRI)の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは21日に発表したコラムで、「日本は24年ぶりとなる歴史的円安に大いに苦しんでいる。円安は輸出企業の収益や国際競争力に追い風となる面がある一方、個人にとっては物価高という逆風を生む。(中略)日米金利差に根ざす円安ドル高が定着し、物価高も長期化してしまうことを個人は警戒している」と述べた。
日本企業(中国)研究院の陳言執行院長は、「通常の状況であれば、円安は海外観光客の訪日旅行にプラスになるが、新型コロナウイルス感染症の影響により、日本の観光産業は期待したような回復と発展を遂げられていない。これと同時に、世界市場でエネルギー価格が高騰したことや、FRBの連続利上げの影響で日本のインフレ率が何度も過去最高を更新したことにより、日本の物価が高騰して、円安がもたらす輸出競争力の向上というプラス面を相殺した。高騰する生産コストに購買力の落ち込みも加わり、これらが日本企業にとってマイナス要因になった」と述べた。
また陳氏は、「円安は、ドル建ての経済指数が圧力を受けていることを意味し、たとえばGDPなどが大幅に目減りすることになる。日本が国力を高め、経済の繁栄を取り戻すには、行政制度の革新と技術の革新を進めることが不可欠で、付加価値の高い産業の発展を推進し、ハイテク分野のイノベーション・ブレークスルーを重視して、円高を誘導するのがよいだろう」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年9月23日