河北省張家口市崇礼区の冬季五輪中心エリアで12日、気温が急激に下がり、最低気温がマイナス21℃に達した。これほど寒い環境では、選手、冬季五輪スタッフ及び関連装置・設備を温めることが、テクノロジー冬季五輪にとっての新たな挑戦となった。科技日報が伝えた。
最低気温が昨年マイナス40℃に達した雲頂スキー場で行われたスノーボード及びフリースタイルスキーのテスト大会では、テストに協力したスタッフは寒さに襲われることはなかった。これは彼らが北京創新愛尚家科技股份有限公司が独自に研究開発したグラフェン加熱マフラー、手袋、靴下などを使用したからだ。
北京冬季五輪にグラフェンスマートテクノロジー発熱製品及びサポートプロジェクトを提供する責任者で、同社の創業者の陳利軍氏は取材に対して、「冬季五輪の開催期間中、まず人へのサポートをしなければならない。多くの表彰式の会場は極寒の屋外に設置されるが、女性スタッフは東洋の女性の曲線美を示す必要があり、あまり着ぶくれしてはならないため、全体の材質を非常に軽く薄くする必要がある。そこで当社はグラフェンを使った特殊な肌着を研究・製造した。その多くの箇所にグラフェン加熱柔軟性織物素材が使われており、着用すると柔らかくフィットし、通気性が良く温かく感じ、軽々と動け寒さにも強い。急速に温度を上げることができ、32℃以上で保て、体全体が非常に温かくなる。これは中国の伝統文化と現代の画期的な技術の効果的な融合で、中国の伝統文化に基づくテクノロジーの芸術品が誕生した」と述べた。
陳氏は、「『グラフェン三次元複合水性電熱インク及びその製造方法』などを採用し、製品に柔らかく、通気性が良く、折りたたみに強いといった性能を持たせた。マイナス40℃の低温でも起動でき、複数の箇所で発熱し、50回水洗いしても性能を保てる。この『スマート温度制御グラフェン織物』で冬季五輪スタッフの制服を製作すれば、スタッフは手動、アプリ操作、スマート音声マルチモード操作によって、38-52℃の間で温度を調節でき、1℃までの正確な温度調節が可能だ」と述べた。
同社はさらに北京グラフェン研究院とグラフェン特殊繊維実験室を設立し、共同でグラフェン特殊繊維の研究開発と検査を実施し、屋外露天会場加熱座席、2022年北京冬季五輪マスコット「氷墩墩」グラフェン加熱ハンドウォーマーなどの製品を研究開発した。低温環境で働くスタッフや現場の専門的な設備の暖を取る需要をより良く満たすようにしている。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年1月14日