ネットワークトラフィックの変化などを確認できるサービスを提供する米インターネットインフラサービス会社・Cloudflareの統計によると、今年世界で最もトラフィックが多かったのはショート動画共有アプリ「抖音(TikTok)」で、昨年トップのGoogleを上回った。
TikTokは中国の「字節跳動(ByteDance)」が開発・運営するショート動画共有アプリで、2017年の夏に、世界でサービスを開始。2018年8月に、米国の人気のソーシャルメディアプラットフォームのmusical.lyを買収・合併した。TikTokは近年、世界中で爆発的大ヒットとなっている。Sensor Towerの統計によると、今年7月、そのダウンロード数は30億回を超えた。
TikTokが世界中で大人気となっているのはなぜ?
まず、TikTokは最初の海外市場として、華人が多く、文化の壁も低い東南アジアに進出した。そして、それを基盤にしてアジア市場をさらに開拓した。2019年、インドのTikTokダウンロード数は2億7000万回を超え、最も急速に業務成長した国となった。
次に、TikTokは市場によってメインで打ち出すカテゴリを変えている。例えば、東南アジアでは、ダンスやユーモラスなコンテンツを、日本や韓国では「2次元(アニメ・漫画・ゲームなどを総じたジャンル)」を、欧米ではファッションをメインカテゴリにしている。TikTokに投稿される動画のコンテンツは、音楽やコメディ、コスメ、料理、政治など、その幅がどんどん広がっている。プラットフォーム上ではここ2年、非常にニッチな趣味を持つ投稿者なども増え、少しエキセントリックなコンテンツまである。
また、操作が非常に簡単で、誰でもオリジナル動画を作成できるというのも魅力だ。TikTokの動画は通常、15秒以内で、スキルの高いクリエイターが作成する動画でも最長1分だ。業界関係者は、「TikTokはエフェクトやフィルター、スタンプなどのツールの操作も非常に簡単で、シェアしやすいうえにプロ並みの動画を手軽に制作できる」と評価する。
英国放送協会(BBC)は、「TikTokは『インターネットの世界で最も楽しい場所』と呼ばれ、そこには『シンプルなハッピー』があり、他の動画共有サイトにあるような『暗い』コンテンツは見られない」としている。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年12月30日