国家宇宙局月探査・宇宙飛行センターによると、火星周回機「天問1号」と火星探査車「祝融号」は安全に初の太陽妨害を乗り越え、科学探査活動を再開した。中央テレビニュースが伝えた。
今年9月下旬より、地球と火星が太陽の両側に回り、さらに3者がほぼ同じ直線上となった。この期間中に火星探査機と地球の通信が太陽放射の干渉を受け、不安定になり、さらには中断されることもあった。これが太陽妨害だ。
太陽妨害期間中、天問1号と祝融号は自動運転モードに入り、科学探査活動を一時停止した。太陽妨害の実際の影響を把握するため、プロジェクト研究・製造チームは測位・制御リンクの追跡試験を続け、初めて太陽妨害による深宇宙測位・制御通信への干渉の実測値を取得し、今後の任務の太陽妨害への対応に向けた一次データとプロジェクトの経験を蓄積した。
太陽妨害期間中には星食と呼ばれる天文現象が生じ、科学者に得難い太陽妨害星食の観測チャンスをもたらした。上海天文台、国家宇宙科学センターなどの機関はヨーロッパVLBIネットワークや豪州のタスマニア大学などの機関と合同で、上海、昆明、烏魯木斉(ウルムチ)、欧州のWettzell、Yebes、Medicina、ロシアのSvetloe、Zelenchukskaya、Badary、豪州のHobart、Kath、Yarra、南アフリカのHartebeesthoekなどの電波望遠鏡を利用し、「天問1号」と火星周回機「マーズ・エクスプレス」に対する同一ビーム太陽妨害観測を行った。今回の観測では約5TBのデータが得られた。各方面は現在、共同研究を実施中で、2つの探査機が地球に伝送してきた電磁波信号が太陽風を通過する際に受ける影響の分析を通じ、太陽風内部乱流が引き起こす惑星間電子密度の変動、太陽風ミクロ乱流とマクロ風速の関係などの科学的問題を研究する。
太陽妨害は現在すでに終了しており、探査機と地球間の測位・制御通信が正常化している。遠隔測定データで判断すると、「天問1号」のコンディションは太陽妨害期間中に正常だった。周回機は11月上旬にリモートセンシングミッション軌道に入り、火星全体のリモートセンシング探査を実施する。火星の地形や地質構造、表面物質の成分と土壌タイプの分布、大気電離層、火星宇宙環境などの科学データを取得する。同時に火星探査車の拡張ミッション段階の中継通信を行う。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年10月22日