司さん(女性)は、「時代は本当に変わった。20年前は、私の母がインターネットカフェに私を探しに来ていた。でも今は、私が毎日、ゲームばかりしないで早く電気を消して寝るようにと母に言っている」と感嘆する。今の高齢者は、インターネットを使いこなせるようになっており、ニュースやショート動画を見るだけでなく、オンラインゲームのユーザー増加を牽引するようにさえなっている。北京日報が報じた。
ゲームに夢中な今の高齢者たち
「マウスさえ動かせるなら、僕もまだまだ若い」と話すハンドルネーム・疾風大爺(61)は、数珠ブレスレットやクルミのブレスレットを集めたりするのが好きなほか、オンラインゲーム「リーグ・オブ・レジェンド(中国名・英雄聯盟)」も大好きで、フォロワー118万人以上を抱え、合わせて1400万以上の「いいね!」を集めた人気ゲームライブ配信パーソナリティーとなっている。
動画共有サイト・bilibili(ビリビリ)の有名なゲームうp主であるハンドルネーム「骨灰級遊戲玩家_楊老頭」は85歳の男性で、そのゲームに関する動画の再生回数は延べ1800万回を超えている。クリアしたゲームの記録をきちんと残しているという元シニアエンジニアの彼は、その経験を文字や動画にして若者たちにシェアしている。
一方、体力や視力、操作テクニックなどの面で限界を感じ、本格的なスマホゲームやコンシューマーゲームは苦手という高齢者は、「闘地主」や「開心消消楽」などの卓上ゲーム系やレジャー系ゲームを楽しんでいる。
取材では、多くの高齢者は私達が想像している以上に、ゲームに夢中になっていることが分かった。そのゲームに費やしてきた時間は、少ない人でも200-300時間、多い人なら1000時間以上という、驚きの結果だった。
高齢者が電子ゲームするメリットは?
米国イリノイ大学の心理学教授などが行った関連の研究では、高齢者が適度に電子ゲームで遊ぶと、脳の老化を予防するのに効果があることが分かっており、高齢者のボケ防止や脳の老化予防の新たな対策のヒントを与えている。
また、高齢のゲーマー王さんは、「ゲームをすると脳が活動するほか、毎日、ネットで若者と交流していると、僕もまだまだ若いと感じる。毎日とても楽しい」と話すように、高齢のゲーマーにとっては、脳の老化防止以上に、感情の拠り所を得られることのほうが重要なようだ。
しかし、自分の年齢を必死に隠す高齢者も、時代についていくのはなかなか大変だと感じることもしばしばあるようで、唐さん(女性)は、「ゲームのボタンや字がもっと大きくなれば、苦労しないのに」と語る。王さんも「高齢者のニーズに合わせた高齢者にやさしいゲームがもっと増えればいいのに。高齢者用のゲームを開発するのではなく、高齢者でも操作しやすくしてくれれば、僕たちも時代についていけると思う」と話す。
交通やSNS、ショッピングなどの分野のアプリと比べると、ゲームアプリは高齢者に対応するアップデートが進んでいない分野となっている。
ゲーム時間は長すぎないように
専門家は、「高齢者が適度にゲームをすると、脳の回転や記憶力に良い影響があり、脳の老化予防につながる。しかし、度を超えて毎日遊ぶ時間が長すぎたり、ネット中毒になったりしてしまうと、本末転倒だ」と注意を促している。
通常、高齢者がゲームをする時間は1日当たり2時間以内に抑えたほうがよく、ゲームをする時の姿勢にも注意が必要だ。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年10月20日