上海交通大学医学院附属仁済病院泌尿器科の腎臓移植チームは最近、妊娠29週目で生まれた早産児からの腎臓移植手術に成功した。乳児の体重はわずか1070グラムだった。腎臓を提供したのは生後わずか2日目の歓歓ちゃん(仮名)で、この世界を見ることなく、腎臓という贈り物を残してこの世を去った。現時点で、中国では最年少で、体重が最も軽い腎臓提供者となった。文匯報が報じた。
歓歓ちゃんは、生まれて2日目に誤嚥が原因でこの世を去った。提供したのは左と右の腎臓で大きさは2.5センチと2.9センチ。いずれも、尿毒症を患う暁暁さん(仮名)に移植された。移植手術から約1ヶ月後、暁暁さんのクレアチニンは少しずつ下がって正常値に近づいた。また、超音波検査で、2つの腎臓の大きさがナツメほどの大きさから、卵ほどの大きさに成長していることも確認されている。暁暁さんは術後、順調に回復し、既に退院したという。
歓歓ちゃんの父親は、「家族みんな赤ちゃんが生まれてくるのを楽しみにしていた。赤ちゃんにはこの世界を見て、僕や妻とたくさんの時間を過ごしてほしかった。でも、助からないと分かった時に、臓器を提供することを決めた。それも赤ちゃんが違った形で生き続ける方法だから」と語った。
泌尿器科の主任で、執刀医を務めた張明氏は、「ドナーの体重は非常に軽く、臓器も非常に小さいため、始めから最後まで小さなミスも許されなかった。腎臓の修復だけでも、4-5時間かかった」と説明する。
張氏によると、新生児がドナーの場合、極めて難しい手術になる。2015年に国家臓器提供・移植システムが構築されてから子供がドナーになることが可能になり、移植界は現在、積極的な模索を行っている。一般的には、新生児が腎臓を提供する場合は、手術が失敗に終わる可能性が極めて高いため、あまり選択されない。しかしその一方で、新生児が提供する腎臓はとても質が高い。胎児の腎臓が形成されると、 腎単位の数値は成人の肝臓と同等になる。腎臓移植後、合併症さえ起こらなければ、数ヶ月でレシピエントになじみ、成人の肝臓と全く同じ働きをするという。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年10月14日