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最近、「イカゲーム」という韓国ドラマが世界中で人気を集めている。中国では10月7日昼時点で、微博(ウェイボー)での#イカゲーム#関連の話題の閲覧件数が18億件にも上った。ショート動画共有アプリ「抖音(TikTok)」やQ&Aサイト「知乎」などのSNSプラットフォームでは、「イカゲーム」関連の検索件数も閲覧件数も高止まりしている。
世界を見渡すと、このドラマはアジア・太平洋の複数の国・地域で数週間にわたって人気ランキングのトップに立っていた。北米では2週間続けて米ドラマ制作会社ネットフリックスの連続ドラマランキングで首位に立った。米映画評価サイトのロッテン・トマトの新鮮度評価で100%の満点を獲得したこともある。
ネットフリックスのテッド・サランドス共同最高経営責任者(CEO)が明らかにしたところによると、「イカゲーム」はネットフリックス史上、最も人気のある英語以外の言語のドラマシリーズになることが予想されるという。
「イカゲーム」関連ビジネスが続々登場
優れたテレビドラマの産業チェーン開発は今やコンテンツ自身にとどまらない。「イカゲーム」のような人気ドラマには、ビジネスチャンスも容易に見て取ることができる。
カルメ焼きは韓国の街角でよく見かけるおやつで、「イカゲーム」の代表的な道具でもある。ドラマが放送されてからの2週間で、韓国のコンビニではカルメ焼きの主な材料となる砂糖の売上高がその前の2週間に比べて45%増加した。カルメ焼きの型はネットで売り切れとなり、完成品のカルメ焼きの売上も3倍近く増加した。またドラマに登場するイラストのカード、ビー玉、衣装、インスタントラーメンの売上が大幅に増加し、ドラマの中で行われたゲームも学校の親睦会や会社の交流イベントなどで引っ張りだこという。
七麦データの調査によると、10月9日の世界無料ゲームランキングでは、「キャンディチャレンジ3D」、「オールチャレンジャーズ-サバイバルゲーム」、「K-ゲームズチャレンジズ」といった「イカゲーム」関連のゲームが、米国、日本、韓国、ロシア、英国など複数の国・地域のゲームランキングでトップ5に入った。
「イカゲーム」はなぜこれほど人気か?
「イカゲーム」の内容を見ると、「バトル・ロワイヤル」に似たテーマのドラマだ。暮らしに行き詰まり行き場をなくした人たちが集まって、みんなでゲームをする。負ければその場で命がなくなり、勝てば賞金を手にすることができる。全体的に言えば、人気の秘密はシンプルさ、リアリティ、インパクトにあると言える。
まずシンプルさとは、プロットの設定が非常にシンプルなことを指す。集まった人たちが一緒にゲームをして、勝てば残り、負ければ消える。6種類あるゲームはどれも子どもの頃遊んだものばかりで、視聴者はゲームのルールを理解するために「頭を使う」必要がない。「イカゲーム」は基本的にハードルがなく誰でも楽しむことができ、さまざまな地域、さまざまな教育レベル、さまざまな年齢層の利用者に受け入れられやすい。
次にリアリティとは、劇中のゲームは視聴者が子どもの頃に遊んだことのあるものが大半で、ゲームのリアルさが没入感をもたらすことを言う。また登場人物のキャラクター設定を見ると、「行き場をなくした」参加者たちの描かれ方が非常にリアルだ。例えば、中年になっても何事も成し遂げたことのない主人公の男性、母親から過剰な期待を寄せられる秀才の男性、会社の社長に搾取される海外からの出稼ぎ労働者、ごろつき……どのキャラクターに対しても、視聴者は自分や周りの人の中に何かしら共鳴するものを見いだすことができる。
最後はインパクトだ。ドラマは全9回で、ネットフリックスの従来のスタイルを踏襲する。短くコンパクトにまとまったコンテンツであることから、視聴者の間ですぐに議論が始まると同時に、短時間に多くの衝撃的なシーンが出現し、視聴者に強烈な視覚的インパクトを与えてしまう。また一方で、ドラマには衝突プロットが随所にちりばめられ、金持ちと貧乏人の対立、例えば友情や絆、愛情などが金銭や殺戮を前にした時にどうなるかなど、人間性に直接関わる問題があり、視聴者に強烈な心理的インパクトを与える。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年10月12日