浙江大学によると、同大が中心になり、中国科学院瀋陽自動化研究所、中国科学院深海科学・工学研究所などの機関が共同で参加する国家重点研究開発計画「深海基幹技術と装備」重点特定プロジェクト水中ヘリコプタープロジェクトが8月27日から9月3日にかけて、南中国海の海域で海上試験と検収を完了した。水中ヘリコプターの潜水深度が初めて1000メートルを突破した。科技日報が伝えた。
同プロジェクトは2017年7月に浙江大学舟山キャンパスで正式に始まった。水中ロボットの概念は浙江大学の陳鷹教授らが打ち出したものだ。これは中国が完全に独自の知的財産権を持つ新概念の国産無人潜水機で、長期的に海底にとどまり作業でき、自由離着陸、定点ホバリング、全方向旋回、海底に沿って航行するなど通常のAUV(自律型無人潜水機)では実現しにくい機能を持つ。海底移動観測、海底資源探査、海底エリアの巡回・探査、海底パイプラインのモニタリング・メンテナンス、海底救援・引き揚げなどに使用でき、海底移動探査と作業領域の空白を埋めるものとなる。
海上試験の期間中、プロジェクト海上試験チームは水中ヘリコプターの海底に沿っての飛行、海底ヘリポートの離着陸・入渠、360度全方向旋回、定点ホバリング、ワイヤレス充電、音響ナビゲーション・追跡、投入・回収などの機能を全面的にテストした。
プロジェクト海上試験チーム総指揮を務める浙江大学海洋学院の司玉林准教授は、「今回の海上試験の成功は、水中ヘリコプターが技術的に実現可能であることを証明した。これは水中ヘリコプターの研究において重要な段階的成果を上げたことを示しており、同時に海洋無人潜水機技術の発展における重要な成果でもある。今回の海上試験において、チームはさらに水中ヘリポートへの投入の難易度が比較的高いといった問題を発見し、水中ヘリコプター技術のさらなる発展の方向性を示した」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年9月16日