旧国道213号線の元江橋を渡るゾウの群れ(8月8日にドローンで撮影、画像は新華社から)。
雲南省で今年4月からアジアゾウの群れが従来の生息地を離れて北に向かい、昆明市まで移動して世間の注目を集めていたが、その後、南に向きを変え、今月8日夜に最大の難関である元江の主流を渡った。では、この約110日間、ゾウの群れはどれくらいの距離を移動したのだろうか?同省林草局の万勇局長によると、その距離は合わせて1300キロ以上になるという。人とゾウの安全を確保するために、これまでに周辺の住民ら延べ約15万人が避難してきた。新華社が報じた。
ゾウの群れの移動に合わせた雲南省の省級対策指揮部の指揮長も務める万局長は、9日に開催された記者会見で、「昨年3月、アジアゾウの群れは雲南省西双版納(シーサンパンナ)国家級自然保護区を離れ、同年7月に普洱市にまで移動した。そして今年4月16日に普洱市墨江県から玉渓市元江県に入り、その従来の生息地域を離れた」と説明した。
4月16日以来の約110日間に、ゾウの群れは約1300キロ移動し、玉渓市、紅河哈尼(ハニ)族彝(イ)族自治州、昆明市の3州・市のほか、8県・市・区を通過した。そして、今月8日午後8時8分に、ゾウ14頭は元江の主流を無事に渡り、引き続き南に移動している。さらに、7月7日に、群れから離れ単独行動していたオスのゾウがシーサンパンナ国家級自然保護区に連れ戻されたため、北上していた15頭全てが無事に従来の生息地のある南へと戻りつつある。
万局長は、「ゾウの群れの状況は全体的に落ち着いており、これまで、人もゾウも死傷していない。当省の対策や緊急対応は大きな進展を得た。今回のアジアゾウの北上は、『科学の旅』、『探索の旅』、『保護の旅』となり、中国国内外や社会各界の注目を集めてきた」と話した。
今月8日の時点で、雲南省は緊急対策のための人員や警察延べ約2万5000人を動員したほか、ドローン延べ973機、緊急車両延べ1万5000万台を投入し、住民延べ15万人を避難させ、ゾウにエサ計約180トンを与えてきた。
万局長は、「ゾウの群れは既に無事に元江を渡った。しかし、関連の対策や緊急対応は、ゾウの群れが普洱市墨江県の生息に適したエリアに入るまで続け、その後、普洱市とシーサンパンナ傣(タイ)族自治州が通常の管理を引き継ぐ」と説明した。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年8月10日