雲南省シーサンパンナ州勐養子保護区で生息していた野生のアジアゾウ15頭は今年4月に生息地を出発し、一路北上し、最も遠い場所で昆明市晋寧区までたどり着き、中国内外の高い注目を集めた。雲南省は直ちに北上アジアゾウ安全防衛特定作業を開始した。ゾウの群れは8月8日午後8時8分に安全に元江の本流を渡り、生息地に戻す活動に決定的な進展があった。科技日報が伝えた。
雨季の到来に伴い、元江は豊水期に入った。7月と8月の平均水流量は120立方メートル毎秒で、最高水流量は628立方メートル毎秒にのぼった。水流量の激増は、ゾウの群れの「南の生息地への帰還」の大きな障害になった。
北上アジアゾウ群専門家チームのメンバーで、国家林業・草原局アジアゾウ研究センター長の陳飛氏は取材に、「アジアゾウが北上してから、野生動物や情報通信などの関連分野の複数の専門家と技術者が安全防衛と生息地に戻す活動に参加した。活動、研究、応用を同時進行させ、全過程で大量の科学研究、モニタリング・早期警戒、緊急処置の成果データを蓄積した」と述べた。
科学研究の面では、北上するゾウの群れは動物学者に近距離でアジアゾウの生息活動を観測する機会を与えてくれた。モニタリング・早期警戒技術の面では、ゾウの群れは情報化モニタリング技術の動物保護分野における運用に実践の機会を与えてくれた。陳氏は「雲南省の森林消防、各地の警察、電力、通信などの当局、及び電子設備・電気通信企業などが力強い技術・チームのサポートを与えてくれた。中国の力強い科学技術サービス保障能力を十分に検証したうえ、動物モニタリング施設・設備と技術手段の改善に参考材料を提供した。対策技術の面ではさらに、アジアゾウ移動ルート予測、見張りと餌やりを結びつけた柔軟な干渉技術を画期的に導入した。今後の人とゾウの衝突、さらには人と動物の衝突に参考可能な見本を提供した」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年8月10日