世界最大でアジア初の海上変電所が8日午前、江蘇省南通市の長江の岸辺から出発した。3日後に黄海の海域に到着し、三峡集団江蘇如東洋上風力発電プロジェクトの現場に設置される予定だ。科技日報が伝えた。
三峡如東洋上変電所の平面面積は標準的なサッカーコート1面分に迫り、高さは約15階建てのマンションに相当し、まさに「巨体」だ。現在世界最大の吊り上げ能力を持つクレーン船でも1万2000トンで、約2万2000トンある同変電所の輸送の必要性を満たせない。そこで三峡集団は一般的な設置方法を取らず、船舶の底荷と自然の潮汐効果を利用し、浮上牽引法を用いて洋上変電所の設置を行う。
三峡如東洋上変電所は稼働開始後、如東洋上風力発電所の1100MWの電力を集め、これを消耗がより少ない直流に変換した後、海底ケーブルにより陸上に送電する。この技術はフレキシブル直流送電技術と呼ばれ、従来の長距離交流送電の不足を補える。
三峡集団江蘇如東プロジェクトはアジアで初めてフレキシブル直流送電技術を洋上風力発電プロジェクトに導入したもので、建設中に変電所の建設、直流海底ケーブルの開発といった複数の重要な技術の難題を解決した。主な電気設備にいずれも中国の国産ブランドを採用した同プロジェクトは、中国の海洋プロジェクトの複数の技術的空白を埋めており、中国の遠洋大容量洋上風力発電の開発・建設に対して重要な意義を持つ。
プロジェクト全体が完成・稼働した後、年間送電量は24億kWhにのぼり、約100万世帯の年間電力消費量を賄える。同等規模の石炭火力発電所と比べると、毎年の標準石炭消費節約効果は約74万トン、二酸化炭素(CO2)排出削減効果は約183万トン。「CO2排出量ピークアウト、カーボンニュートラル」という目標の達成を効果的に支える。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年7月9日