6月2日夜、華為(ファーウェイ)技術有限公司は、スマートフォンなどのモバイル端末に対応可能な独自開発の基本ソフト(OS)「鴻蒙(Harmony、ハーモニー)」を正式に発表した。アンドロイドとiOSが市場をほぼ占めている状況の中、彗星のごとく登場した「Harmony OS」は、アンドロイドやiOSとは大きな違いがある。中国新聞網が伝えた。
ファーウェイが2016年5月に「Harmony OS」の開発を正式にスタートした時から、目標は非常にはっきりしていた。「絶対に、もう1つのアンドロイドやiOSを作るつもりはない。それには価値はない」。
「Harmony OS」は、あらゆるハードウエアデバイスの搭載システムの問題が解決でき、「ハードが違うとシステムも違う」状況に別れを告げることができることを目指して開発された。アプリとソフトのシームレスな切り替えが実現すれば、ハードやシステムごとに異なるアプリを開発しなければならないという、これまで開発者が直面してきた困難がすんなりと解決される。
「Harmony OS」の最大の違いは、スマホ向けのOSであるだけでなく、IoE(インターネットで全てのものをつなぐこと)に向けたOSでもあり、今後のビジネスエコシステムのポテンシャルが極めて大きいという点だ。スマホ、テレビ、タブレット、自動車などに「Harmony OS」を搭載すれば、異なるプラットフォームでもソフトが対応するようになり、個々の開発が必要なくなる。
試練に直面:第3の選択肢を提供
アンドロイドのシステムからもiOSのシステムからも独立した第3のモバイル端末OSである「Harmony OS」は、業界に新たな選択肢を提供した。
周知のように、公平な競争が行われている市場では、プレイヤーがより十分に、より徹底的に競争に参加できるほど、市場のイノベーションの活力はより強くなり、ビジネス生態系構築のメカニズムもよりよいものになる。そのため、「Harmony OS」という選択肢があることは非常に重要だ。
「Harmony OS」はアンドロイドと同じく、Linuxのシステムをベースに開発したOSだ。これまでファーウェイが使用していたEMUIは、アンドロイドをベースに開発したものだった。2019年にグーグルがファーウェイに対し、グーグルモバイルサービス(GMS)を開放しないと発表すると、ファーウェイは海外市場で大きな挫折を経験することになった。その後、ファーウェイは独自のファーウェイモバイルサービス(HMS)の開発に力を入れるようになった。今回の「Harmony OS」の大規模なアップグレードは、ファーウェイがOSのボトルネックとなっていた問題をすでに解決済みであることを示している。