中国で緊急使用の承認が下りた、新型コロナ組換えサブユニットタンパクワクチンの第1相、第2相臨床試験の結果がこのほど、国際的な医学誌「The Lancet Infectious Disease」に掲載された。その結果によると、ワクチンは安全性が高く、25マイクログラムのワクチンの接種を3回受けた被験者のうち97%に生ウイルスを遮断する中和抗体ができた。中和抗体の水準は回復した患者の血清を上回った。新華社が伝えた。
同ワクチンは中国科学院微生物研究所と安徽智飛竜科馬生物製薬有限公司が共同開発。今年3月10日に関係当局の評価・論証を経て緊急使用が承認された。
ワクチンの中国国内での第1相、第2相臨床試験は18-59歳の健康な成人計950人を募集し、無作為、二重盲検、偽薬を対照する試験プランを採用。試験は副反応と深刻な副反応、抗体力価、中和抗体力価及び血清の陽性化率を含むワクチンの安全性と免疫原性を評価した。
その結果、ワクチン関連の深刻な副反応は発生しなかった。2回の接種後、76%の被験者に中和抗体ができた。3回の接種後、97%の被験者に中和抗体ができた。
同ワクチンは現在、ウズベキスタン、インドネシア、パキスタン、エクアドルで国際マルチセンター第3相臨床試験を展開中だ。ウズベキスタンでは今月1日、登録・使用が承認された。
組換えサブユニットタンパクワクチンは遺伝子工学の方法により、細胞内で病原体抗原タンパク質を発現させてから、ワクチンを製造する。不活化ワクチンやアデノウイルスベクターワクチンと異なる、新たな技術ロードマップで製造される新型コロナワクチンだ。
中国は現在まで4種の新型コロナワクチンが条件付きで流通しており、1種の緊急使用が承認されている。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年3月29日