綿菓子のような雲やうろこ雲など、青空に広がる雲を見て、「癒された」という経験がある人も多いだろう。90後(1990年代生まれ)で、浙江省出身の男性・瑜公瑾さんは、浙江大学物理学部を卒業した後、北京へ上京。ある時、夕焼け雲を偶然見かけた時から、雲の虜になったという。そして、2019年に、ネットを通して、透明のエポキシ樹脂の中に「雲」を封入したプロダクト「クモキューブ」を作る方法を学び、それを販売するビジネスを始めた。瑜さんによると、同商品は既に30‐40万個売れたといい、購入者から「出産後の大変な時に、毎日、太陽の光に当てながら見ると、とても気分が良くなった」や「家の中で空を楽しめるなんて、とても幸運」など、感謝するメッセージが寄せられているという。揚子晩報が報じた。
瑜さんは以前、北京で、スマート照明関連の仕事をしていて、「北京での生活はとても忙しく、ゆっくりと空を見る暇もない。2015年のある日、偶然窓の外に広がる夕焼け雲を見て、そのあまりの美しさに驚嘆して、雲に魅了された」と話す。
そして、「『クモキューブ』は、エポキシ樹脂でキューブを作り、その中に特殊な綿の繊維で作った「雲」を封入している。入っているのは、どれも空に浮かぶ雲そのもの。ふわふわしていて、とてもかわいらしい」と説明した。
「中国国内では、このようなプロダクトを大量に生産している業者はまだ少ないことが分かり、昨年、仕事をやめ『雲』関連の商品を販売するオンラインショップを立ち上げた。『雲』を売るというコンセプトのビジネスがこれほどうまくいくとは予想外だった。特に、記念日などがある時期になると、注文がとても多くなる」という。
瑜さんは、運営から、商品企画、宣伝文句、パッケージデザインなどまで、全てを一人で手掛け、さらに、雲の写真を撮影すると雲に関する知識を検索できるAIミニプログラムまで自作してしまった。約1年の間に、瑜さんは、「クモキューブ」を数十万個作り、30‐40万個販売した。さらに、関連商品も販売しており、年収は100万元(1元は約16.7円)に達している。
瑜さんが作る「クモキューブ」は1個約20元で、1セットなら約200元。ショップでは、その他、「雲カレンダー」、「雲ブックマーク」、「ツキキューブ」なども販売している。商品を購入するのは、カップルや妊婦、学生などで、「好きな人への思いを伝えるために購入する人もいれば、癒しを求めて購入する人もいる」という。
瑜さんは、「客は単に『雲』を買っているのではなく、都市で生活する人がスローライフやのんびりした生活にあこがれる思いを抱いて買っているのだと思う。また、遠距離恋愛する人が、相手への気持ちを伝えるために買うケースもある。僕の作る『雲』を通して、一人でも多くの人に、温かさを届けたい」と話した。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年3月26日