新疆維吾爾(ウイグル)自治区産綿花の取引停止を宣言していたスウェーデンの衣料品大手・H&Mが、中国で激しい批判にさらされている。当稿執筆時点で、京東や天猫、淘宝、拚多多、唯品会などのECプラットフォームがH&Mの商品販売を停止している。北京日報が報じた。
また、小米や華為(ファーウェイ)、vivo、騰訊(テンセント)などのデジタルコンテンツ配信サービスプラットフォームからも、H&Mアプリが削除された。地図サービスの百度地図や高徳地図、口コミサイト・大衆点評、デリバリープラットフォーム・美団などでも、H&M関連の情報が検索できなくなっている。
その他、H&Mの広告塔となっている俳優の黄軒(ホアン・シュエン)や女優の宋茜(ビクトリア)、コメディ女優・辣目洋子(ラームヤンジー)なども次々とH&Mとの契約解除を発表し、ライブコマーサー・薇■(■は女へんに亜、viya)も関連商品の販売を停止した。
H&Mは今月24日夜、「H&Mグループは、オープンで透明という原則に、一貫して沿いながら、世界のサプライチェーンを管理し、世界中のサプライヤーがOECD(経済協力開発機構)が制定する『多国籍企業行動指針』のデューデリジェンス手引書など、持続可能な発展のための指針を順守しており、これはいかなる政治的立場を代表するものではない」との声明を出した。
この声明は、新疆ウイグル自治区に言及しておらず、同自治区の名誉を傷つけたことに対する誤りにも一切触れていなかったため、多くのネットユーザーから、「何を言ってるか分からない」、「はぐらかしている」といった声が上がっている。
H&Mグループは先ごろ、ネット上で、新疆ウイグル自治区について、「強制労働や民族・宗教的マイノリティーに対する差別の告発を含む複数の社会組織の報告やメディアの報道を受け、当社は深く懸念している」との声明を発表した。
またその声明の中で、「当グループは新疆ウイグル自治区の衣類製造工場とは一切取引せず、同自治区から製品や原材料も一切仕入れない」としていた。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年3月25日