「まるで24時間当直のお医者さんが、子豚の健康状態をモニタリングしているみたいだ」。開催中の2021年世界デジタル産業博覧会で、中国の情報企業の科大訊飛(iFlytek)のスマート養豚システムが、河南省洛陽市宜陽県の養豚場にいる子豚199匹をリアルタイムでモニタリングしていた。中国新聞社が伝えた。
この養豚場とデジタル博が開催されている同省鄭州市とは150キロメートル以上離れているが、豚小屋のリアルタイムの画像、湿度、温度、日照、空気の質など、一目瞭然となっていた。
24日にデジタル博会場を取材したところ、人工知能(AI)養殖、スマートで正確な教育、5Gフル連結工場などの画期的なテクノロジーが集結し、訪れた人をデジタルの海に漂わせていた。
今回のデジタル博は「デジタルがつなぐ世界 精彩を放つ河南」をテーマに、デジタル都市、モノのインターネット(IoT)、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、ブロックチェーン、AI、5G、量子技術、ソフトウェア、電子情報、デジタル技術など複数の分野をカバーしている。
工業・情報化部(省)情報技術発展司の王建偉副司長はデジタル博でのあいさつの中で、「デジタル経済は経済活動と社会生活の中でのホットワードになり、インターネット、ビッグデータ、AIなどの新技術を代表とするデジタル経済は、絶えず発展する中で時代をけん引する巨大なエネルギーをほとばしらせている」と述べた。
農業大省の河南省では、産業化しスマート化した「新農業」が農村振興の推進装置になっている。すでに同省の農業分野で応用されている科大訊飛のAI養殖システムでは、画像と音声の認識技術を運用して、IoT、ビッグデータの分析と結びつけ、豚資産の点検、行動分析、画像の再評価・背脂のチェック、体温モニタリング、音声モニタリングなどの機能を実現した。
科大訊飛の社員の劉才傑さんは、「システムは子豚の咳をする音、鳴き声をモニタリングして、異常がないかを判断する。もしも一定の時間内に、咳が目立って増えた場合は、子豚が病気にかかった兆候かもしれないので、飼育員が直ちに介入して薬を与え、病気の広がりを予防する」と説明した。
劉さんは、「AI養殖システムは音声や映像などの技術と結びつけて、豚小屋に軌道を巡回して豚をチェックするロボットを設置し、途切れることなくチェックを行なう。外部の人の介入を効果的に減らし、感染リスクを軽減することができる」と述べた。
デジタル博会場では、5Gフル連結工場もAI養殖システムと同じように注目を集めていた。縮小サイズの5Gフル連結工場の模型があり、数組のロボットアームが工場内を動き回り、チームワークをうまく取っていた。
工場での応用シーンでは、5Gは人、機械、材料、方法及び環境などあらゆる要素が含まれる工場のすべての生産要素を相互接続している。
こうしたプランを提供した企業の社員の沈遠さんは、「工場全体が透明化・デジタル化することは、生産管理サイドがより効果的に現在の工場の状態を理解するのを助け、運営の効率を全面的に引き上げる」と述べた。
デジタル博会場では、5G+青海-河南超高電圧プロジェクト、5G+産業用ロボット、5G+スマート現場、5G+AIなど関連の応用が打ち出され、新インフラ整備の加速的発展を効果的に促進していた。昨年には、中国初の5G+水素燃料電池による電動トラクターが洛陽市で発表された。
河南省工業・情報化庁の朱鳴副庁長はデジタル博の中で、「河南省はスマート鉱山、マシンビジョンなどの分野で一連のシンボル的な応用成果を上げている。河南省の5Gネットワーク建設は全国トップクラスで、これまでに5G基地局4万5千ヶ所が建設され、5Gネットワークは県庁所在地以上の中心市街地全体のカバーと垂直型業界応用の必要に応じたカバーを実現した」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年3月26日