米トランプ大統領 なぜ動画アプリ「TikTok」を禁止? (2)

人民網日本語版 2020年08月03日14:02

トランプ氏は最近、「米国企業の全額出資によるティックトックの買収を受け入れたくない」と発言し、MSがティックトックを全面的に買収したとしても、ティックトックを禁止する大統領令に署名する可能性があると暗に示していた。

米テクノロジー誌「WIRED(ワイアード)」のニコラス・トンプソン編集長は、「今回のことからトランプ氏の偽善が明らかになった。このような言論の自由に反対する行動には、実はトランプ氏の別の計算がある。CNNの分析では、こうした対処の仕方は米国政府のテクノロジーに対するさらなる『警告』であるともみなされている。2016年の大統領選挙以来、米議会では、シリコンバレーの大手テクノロジー企業を抑止しなければならないという一種の共通認識が徐々に形成されてきた。民主党は、大手テクノロジー企業の市場への影響力や監督管理不足感に懸念を感じるとし、一方共和党は、SNSプラットフォームに存在する反保守の偏見に焦点を当てている」と述べた。

またトランプ氏はティックトックに「個人的な恨み」がある。トランプ氏がメンツを失った「タルサ集会」のことだ。今年6月にオクラホマ州タルサ郡で開いた選挙集会に先立ち、トランプ氏の選挙チームは「合わせて100万人が集会の入場券を申し込んだ」としていたが、タルサ市消防局の公式データでは、当日に入場した人は約6200人にとどまり、2万人を収容できる会場は空席が目立ったという。後に複数の米メディアが明らかにしたところでは、「トランプをキャンセル」イベントの多くはティックトックで始まったものであり、ティックトックで最も人気のあるネット有名人の中には、トランプ氏のヒステリックさをあざ笑って有名になった人がたくさんいるという。ティックトックは 早くからトランプ氏の恨みを買っていたといえるだろう。

米経済誌「フォーブス」7月号が紹介した世論調査によると、米国の成人の33%が、「ティックトック禁止令に反対」とし、賛成の29%を上回った。米国には非常に多くのティックトックのユーザーがいることを考えると、トランプ氏がこのアプリを本当に禁止したなら、大統領選での再選に一定の「政治的影響」が出る可能性がある。

徐々に締め上げてくるようなトランプ氏の動きに対し、ティックトックはついにコメントを発表した。ティックトック米国法人のバネッサ・パパス社長はフォロワーに向けて発表した動画の中で、「私たちはみなさんの支持の声を聞いている。ありがとう!私たちはどこにも行くつもりはない」と述べた。

トランプ氏がティックトックを禁止するかもしれないというニュースが伝わると、ティックトックを利用する米国の若者がツイッターで「ティックトックを救え」(♯Save Tiktok)というハッシュタグ付き投稿を発信。また数日前には、あるユーザーが動画を制作し、トランプ氏が本当に大統領令に署名した場合は、ホワイトハウスに行ってトランプ氏と対峙すると発言している。(編集KS)

「人民網日本語版」2020年8月3日

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