「低欲望」や「仏系(仏のように物事に拘泥しない人々を指す)」、「嫌消費」が、日本の今の若者に対する一般的な評価だ。1990年代に「消費は美徳」とばかり爆買いしていた世代と比較して、最近の若者は「ケチ」だとあげつらわれるほどだ。こうした状況に対し、日本政府は頭を悩まし、企業やメディアも盛んに消費をあおっているが、若者は動じない。さらには新型コロナウイルス感染症の影響から、収入が激減したことも加わり、若者の「ケチ」ぶりに拍車がかかっている。「環球時報」が伝えた。
「車離れ」が話題に
ここ数年、日本のメディアは若者をいろいろな言葉で形容してきた。家にこもって漫画やアニメを見たり、ゲームばかりしている「オタク」、低欲望で毎日を無事に過ごせればいいと考える「草食系」の若者は、熱い血をたぎらせた「昭和の男」に比べられ、日本の90後(1990年代生まれ)は「平成の役立たず」などとさげすまれ、各界の批判の的にさえなっている。ネットの検索ページで「日本の若者」と検索すると、「消費をしたがらない」、「超シンプルライフを追求」、「消費離れの世代」などといった結果が出てくる。かつての日本の若者の三種の神器は「自動車、酒、海外旅行」で、よりよい暮らしを追い求め、暮らしを愛する姿勢が現れていたが、こうした親世代と明らかに異なり、今の多くの若者は車にも酒にも興味がない。
ここ数年、日本の若者の「自動車離れ」がたびたび話題になり、とりわけ2019年には注目される話題になった。渋谷や新宿などの繁華街でたまに成金趣味の高級車を見かけるが、普通の人が乗っているのは基本的に低価格の国産車で、ハンドルを握るのは中高年が多い。自家用車を買いたいと思わない若者が徐々に増えており、高級車に対する憧れの気持ちも年々低下し、若者は車よりも便利で時間のかからない地下鉄に乗ることを好む。大企業で働き、月収が30万円を超える日本の友人も、車を買うことはまったく考えておらず、「車は面倒くさい、価格はそれほど高くないが、駐車場が大きな問題だ。毎月ガソリン代がかかる上、高い駐車場代も払わなければならないし、しかも会社が通勤手当を出してくれるので、なんでわざわざ高いお金を払って必要のないものを買わなければいけないんだ」と話す。メーカーは知恵を絞り、大量の自動車などの広告を流すが、若者の心には響いていない。
日本の若者の多くは海外旅行も面倒くさいとしている。家の近所を散歩したり家でゴロゴロしてゲームをしたりする方がいい。出かけていって消費して爆買いしようとは思わないという。日本のメディアが街で若者に、「これから海外旅行に行きたいと思うか」とたずねたところ、「そんなに行きたいと思わない、パスポートも持っていない」、「生まれてから、日本を出たことがない」という若者が半分を占めるという驚くべき答えが返ってきた。