経産省が店舗向けに拠出する支援金は総額1兆6千億円に達し、売上に影響があったレストランは特別貸付を申請できる。東京都は企業に助成金を支給するとし、1店舗の経営者は50万円、複数店舗の場合は100万円を受け取れる。
また日本政府と地方自治体はテークアウトとデリバリーを推奨し、店の売上を伸ばそうとしている。大阪府は日本最大のデリバリー予約サイトの1つである「出前館」、NTT、通信アプリのLINEと協力し、オンラインでデリバリーを注文した注文額1000円以上の客に500円分のポイントを還元することにした。ポイントの半分は府が負担し、最大で1億5千万円まで負担するとしている。
神戸市とフードデリバリーサービスのウーバーイーツが協力し、ウーバーイーツに登録する中小の飲食店560店舗の割引サービスに対し、市の予算で1500万円を補助するとした、同市商業流通科は、「デリバリー配達を通じて売上高を確保すると同時に、市民が自覚的に外出を減らすことにもなる」と述べた。
これまで日本でデリバリー産業が発達しなかった理由は3つある。1つ目は日本は人的資源が乏しく、人件費が高く、デリバリーの料金が高止まりしていること。2つ目は日本人は冷たい食べ物が好きだが、デリバリーは温かい食べ物が多く、においも強く、人に迷惑をかける可能性がある。3つ目は日本は至る所にコンビニがあり、デリバリーを頼むよりコンビニまでちょっと歩いて弁当を買う方がいいからだ。感染症の前には、日本の飲食店はアルバイトの学生を雇って配達業務を担わせるところが多かった。労働力市場の競争が激しくなり、高齢化が進行していることから、デリバリー配達員を始めた高齢者もいる。
国方雅美さんは岡山県岡山市でカレー店を経営する。感染症の影響で、店に来る客が3割前後減り、一度は一時休業にしようかと思ったが、デリバリーの需要が増加し、常連客からの注文も激増した。国方さんは、「みなさんに支持していただける限り、店を続けていく」と話す。今はデリバリーに適したカレーの新メニューを考案中で、注文してくれた人にはおまけとしてサラダをつけるという。
喫茶店オーナーの鈴木智美さんは、「人類は必ず感染症に勝つことができると信じる。今は毎日なんとか店を開けて、自分の希望にしたいし、お客様にもホッとしてもらいたい。店が開いていて、明かりがともっていれば、みんなが希望をもてる」と話している。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年5月25日