春節(旧正月、今年は1月25日)前後から急速に感染が広がった新型コロナウイルス。中国各地で春節休暇が延長され、学校は新学期開始を遅らせたり、オンライン授業に切り替えるといった対策がとられている。企業や工場も営業や操業開始時期の延期やテレワークへの切り替えを行い、2月下旬からは段階的に出勤や操業も始まっている。人民網ではこうした状況の中、中国で生活や仕事を続けている日本人を取材し、彼らの目を通して新型コロナウイルス影響下での日々を紹介していく。
北京雅可乳特貿易有限公司(北京ヤクルト)・内桶健副総経理
「心から復興願い、北京で働く一人として共に闘い続ける」
毎日の食生活と栄養状態が身体の抵抗力に関係するので、普段から栄養バランスの良い食事や定期的な運動を心掛けているという北京雅可乳特貿易有限公司(北京ヤクルト)の内桶さんは、現在は通常通り出勤を再開し、日々の業務にあたっている。
春節や在宅勤務期間中もヤクルトを届けるため頑張り続けた社員に感謝
北京ヤクルトでは中国政府の特別措置に基づき、春節休暇を2月9日まで延長した上で、10日以降も在宅勤務と出勤の併用措置を実施した。内桶さん自身も出勤と在宅勤務を混合させた勤務を続け、3月2日からは通常出勤での業務を再開しているという。また内桶さんが管轄している天津市の業務については、現在は出張することができないため、電話やメール、WeChat、そしてテレビ会議等を利用して、業務の確認を行っている。
その一方で、春節や在宅勤務期間中も、取引先であるスーパーやコンビニなどの店舗は営業を続けているため、北京ヤクルトの関係部署は1月下旬から業務を再開。春節休暇が延長される中でも出勤し続けて、ヤクルトを届け続けた社員もおり、内桶さんはそんな社員たちには感謝の気持ちでいっぱいだとした。
様々な困難を克服しつつ進めた業務再開
業務再開にあたっては、中国全土でマスク着用が義務化されたため、マスク不足問題に直面。マスクを常備している工場や他の事業拠点などヤクルトグループ全体の協力と支援を得て、ようやく従業員へのマスク支給を手配できている状態だという。また感染状況の変化に伴い、各行政機関だけでなく、各地域や居住コミュニティなどでも独自の予防策やルールが実施されており、それぞれの対応に奔走することに。さらには業務再開手続きや日々変化する店舗状況の確認、工場への発注量の調整、物流面の確認など、通常とは異なる状況の対応に追われる内桶さんだが、「基本はやはり、毎日の衛生管理を徹底すること」とし、社員の健康管理や社内の衛生管理を強化し、配送車両の清掃・消毒の再徹底を実施している。
スーパーのヤクルトコーナー(写真提供・北京ヤクルト)。
自炊の機会増えるもその腕前は???
通常出勤に戻ったものの、現在も外出自粛ムードのため、休日も外出は自粛しているという内桶さん。2月中は近所のスーパーの営業時間が短縮されていたため、出勤日の帰宅時間にはすでに閉店、多少の不便さを感じたそうだ。ただ以前はあまり使っていなかった宅配アプリなどをフルに活用することで、必要なものは手に入ったという。そして以前よりも在宅時間が増え、これまでの外食の多い生活が自炊中心の生活に。ただ昔から料理は不得意だそうで、「何を作っても満足のいく味にならないのが残念。折角の機会なので、料理のスキルアップができるよう頑張りたい」と意気込みを語っている。
また、運動が趣味という内桶さんは、以前は週3~4日はジムに通っていたという。ただジムは現在も営業停止中なので、運動する場所がなくなってしまい、この2ヶ月あまりで体重と体脂肪率が共に増加してしまったという。最近は健康のために在宅トレーニング用具をいくつか購入し、軽い筋トレやストレッチをスタートさせており、早く運動を楽しむことができる生活に戻って欲しいと願っている。
内桶さんから中国の皆さんへの応援メッセージ
中国で新型コロナウイルスと闘っている方々、そして感染拡大防止や治療に携わっている関係者の皆さまが最も過酷な状況の中で奮闘していると思います。中国全体の復興を心から願うと同時に、私自身も北京で働く一人として、皆様と一緒に引き続き闘っていく所存です。一人ひとりの協力が必要不可欠です。一日も早く事態が収束し、正常な日常生活が送れるよう頑張りましょう(文・玄番登史江)。
「人民網日本語版」2020年3月31日