中国科学院瀋陽自動化研究所が明らかにしたところによると、同研究所が開発した太陽帆「天帆1号」(SIASAIL-I)が長沙天儀研究院の衛星「瀟湘1号07」に搭載され、軌道上で太陽帆の複数種類のキー技術の実証に成功した。中国が太陽帆の軌道上におけるキー技術実験を行ったのは初めてで、今後の大型太陽帆の研究開発に技術サポートを提供することになる。科技日報が伝えた。
太陽帆は太陽系外に到達する可能性が極めて高い宇宙船とされており、太陽の膜上の反射光圧力を利用し動力を提供する宇宙船だ。小惑星探査、地磁気嵐観測、太陽極地探査及びスペースデブリ除去などの面で広い応用の将来性を持つ。大型太陽帆は未来の惑星間航行の重要手段とされており、宇宙科学探査の中で重要な役割を果たす。
「天帆1号」プロジェクト責任者、中国科学院瀋陽自動化研究所宇宙自動化技術研究室副室長の劉金国研究員によると、「天帆1号」は柔軟な膜を折りたたみ内部に収納し、発射前のサイズは5センチ×5センチ×5センチ未満。「瀟湘1号07」衛星が正常に軌道に乗った後、2段階組合せ展開の方法により技術の実証実験を行う。
現在軌道から送り返されたデータと写真を見ると、「天帆1号」のキー技術の実験は順調に進んでいる。軌道上で小型衛星2段階能動・受動展開システム、マルチ帆桁同時展開機構、展開可能ダブル定常状態バー技術、柔軟性帆膜材料、帆膜折り畳み・展開技術などの多くのキー技術を実証した。これは太陽帆のキー技術の実証実験が無事成功したことを意味する。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年12月27日