ヨウ素は人体に必要不可欠な元素だ。では、「ヨウ素添加塩を摂取すると放射性物質対策になる」という噂は本当なのだろうか?科普中国が報じた。
まず、ヨウ素が人体にどれほど重要かというと、ヨウ素が不足したり、過度に摂取したりすると、甲状腺に異常が生じ、甲状腺結節につながる。人体に必要なヨウ素は主に水や食物を通して摂取される。ヨウ素をあまり含んでいない食品しか食べない生活が長く続くと、ヨウ素不足になり、成長や発育に影響が生じる。そのため、ヨウ素欠乏症は地域的な病気であることが多い。
年齢によってヨウ素の不足が与える影響も異なる。胎児であれば、流産や死産、成長・発育不全につながる。新生児であれば甲状腺機能低下や結節性甲状腺腫、児童や青少年であれば知的機能障害やクレチン症、大人ならば結節性甲状腺腫や甲状腺機能低下などにつながる。
では、ヨウ素添加塩を摂取すると、放射性物質対策になるというのは本当なのだろうか真?答えは「NO」だ。
現在、市場で販売されているヨウ素添加塩に含まれるヨウ素は非常に少なく、放射性ヨウ素の予防などに必要な量には全く達していない。ヨウ素添加塩を摂取することで放射性ヨウ素汚染対策をしたいのであれば、大人の場合、一度に2-3キロ摂取しなければならない。しかし、その量は人体の受容度を超えている。また、実際の状況を考慮せずに、むやみにヨウ素添加塩やヨウ素剤を過度に摂取すると、人体に無益であるどころか、有害だ。ヨウ素剤を摂取しすぎると、甲状腺機能亢進症などにつながりかねない。ヨウ素剤を服用する場合は、まず専門家に相談しなければならない。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年11月5日