夢百合杯世界囲碁オープン戦出場の日本の10歳少女プロ棋士に注目集まる

人民網日本語版 2019年10月12日11:09

まだわずか10歳のプロ棋士である仲邑菫初段。

「第4回夢百合杯世界囲碁オープン戦」初戦の会場で、最も人気を集めた選手は、意外にも9月に清華大学に入学したばかりの柯潔九段ではなく、日本からやって来た10歳のプロ棋士・仲邑菫初段だった。

自由な撮影が許可されている試合開始前の短い時間に、その場にいたほぼ全てのカメラマンがこぞって仲邑菫初段を取り囲んだ。少女のほうも気後れした様子もなく、こうした場面にすっかり慣れている様子で、緊張した表情は一切見られなかった。それもそのはずで、彼女がこの世界に足を踏み入れてからというもの、日本囲碁界だけでなく、日本全体から注目を浴びており、他の有名棋士との特別な対戦を行うたび、日本のメディア大手がこぞって取り上げ、無数のカメラがこの少女に向けられているからだ。

まだ10歳の女の子が、日本の囲碁人気に再び火を点けている。長年にわたり、メディアから注目されることが少なかった日本の囲碁界が、再び注目されるようになっている。もし、彼女の戦績がさらに輝かしいものとなれば、メディアの注目がさらに増す可能性もあるだろう。なぜなら四冠を達成した井山裕太九段や新名人となった芝野虎丸九段はすでにメディアを興奮させるほどの話題ではなくなっているからだ。

抽選式での柯潔九段。

「第4回夢百合杯世界囲碁オープン戦」は、これまですでに複数回にわたり中国棋院で開催されてきた。これまでは、たとえ日本の囲碁AI「DeepzenGo」が海外から参戦しても、日本のメディアがわざわざ取材に来ることはなかった。だが、仲邑菫初段の出場が決まると、共同通信社や読売新聞など大手報道各社がこぞって会場に取材に訪れた。仲邑菫初段と李軒豪七段との対戦が終了すると、2人が試合を振り返って述べたコメントは全て、日本のメディアによって録音された。このような対応は、井山裕太棋士が来た時でも、決して起こらなかった。

握手を交わす仲邑菫初段と李軒豪七段。

仲邑菫初段が棋院の椅子に座ると、背が低いため両足が床まで届かない。このため彼女には足を載せるための台が用意された。対局中、仲邑菫初段は自分の形勢が有利になると、両足を上下させるしぐさをしてみせる。そしてまるでそれに呼応するかのように対戦相手の李七段もため息をついてみせるので、対局の内容を把握できていない観戦者は李七段が形勢不利なのではないかと誤解してしまうほどだった。

仲邑菫初段は、メディアの寵児と言えるものの、カメラの前に立つと決して口数が多いほうではない。チームを率いる孔礼文団長は、「彼女を取材するのは問題ないが、彼女が頷くか首を振るかのどちらかで答えが得られる質問をするのがベストだと思う」とした。彼女は普段、身近な人たちと一緒にいる場合は、喋るし笑いもして決して内気という訳ではないが、カメラの前に立つと、とたんに寡黙になってしまうのだという。孔団長は、「私がキャスターの役を引き受けてもダメだった。カメラの前になると、一切口を開こうとしない。日本でももう何度もこれを経験している」と笑いながら話す。

初戦で李七段に敗れた後も、仲邑菫初段は直ちに日本へ帰国するわけではないという。孔団長によると、仲邑菫初段が中国棋院に来るチャンスは滅多にないため、北京にしばらく滞在して、第2戦を観戦してから日本に帰国する予定という。(編集KM)

「人民網日本語版」2019年10月12日

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