韓国と日本の貿易摩擦がエスカレートする中、韓国政府は12日、韓国側の輸出管理で優遇対象となる「ホワイト国」から日本を除外する方針を発表した。専門家は、「これは日本に対する『目には目を歯には歯を』式の対抗措置である一方で、韓日貿易摩擦の長期化を見据えて、今後の交渉において、切ることができるカードを増やすため」との見方を示す。新華社が伝えた。
韓国政府が12日に発表した戦略的製品の輸出入に関する修正案では、日本が「ホワイト国リスト」とされる「甲」から新設する「甲2」に格下げされた。韓国企業が日本に戦略的製品を輸出する場合、毎回申請が必要で、提出しなければならない書類もこれまでの3種類から5種類に増える。また、審査に必要な時間もこれまでの約5日から約15日に伸びる。韓国メディアの報道によると、1000種類以上の商品がこの措置に関係する。
韓国政府は今月初めに、「ホワイト国」から日本を除外すると表明していたが、それから数日経ってようやく関連措置を正式に発表した。慎重な検討を重ねたはずで、措置にも一定の余地を残している。
まず、日本は3種類の半導体材料を指定して韓国への輸出を規制したのに対して、韓国政府は規制する特定製品を指定していない。また、韓国は、いわゆる「甲」から「乙」へと格下げするのではなく、新設する「甲2」に留めた。さらに、韓国政府は新たな規制の正式な実施の前に20日間のパブリックコメント募集期間を設け、随時日本と協議する姿勢を示した。
韓国の新たな措置が発表される前、韓日貿易摩擦は一服の気配もあった。韓国に対する半導体の材料の輸出規制を厳しくして以降、 日本は今月8日に半導体の材料であるレジストの輸出許可を初めて出した。一方で、日本は最近、韓国をホワイト国から除外することに関する実施細則を発表したものの、半導体の原材料3種類のほかに新たに規制する製品は加えなかった。
しかし、韓国の専門家の多くは、「日本の最近の動向は、振り上げたこぶしを下げることを示しているわけではなく、規制を厳しくする製品を増やす可能性はいつでもある。韓日貿易摩擦は一層長期化の様相を呈している」との見方を示している。
アナリストは、「韓国が日本を『ホワイト国』から除外したのは、今後日本との交渉で切れるカードを増やすと同時に、日本国内に圧力を加えるため」と見ている。韓国メディアは、「韓日貿易摩擦が日本にもたらす損害が日に日に顕著になっており、日本国内では反対する声が大きくなっている」と報じている。
韓国政府の最新の措置は、国内で日に日に高まる日本に対する不満の声に対応するためでもある。今回の韓日貿易摩擦は、両国の歴史問題をめぐる関係悪化と密接な関係がある。韓国では今週、韓日の歴史問題に関連する2つの記念日があり、反日感情が高ぶる可能性もある。
韓国が日本を「ホワイト国」から除外することを発表した日、韓国の文在寅(ムン・ ジェイン)大統領は、「韓日貿易摩擦は長期化すると見据えなければならない」との見方を示した。韓国は、日本の「経済報復」に断固とした対応をしなければならないが、衝動的になってはならず、冷静に抜本的な対策を考えなければならない。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年8月16日