アジア初のティラノサウルスの足跡が中国で発見

人民網日本語版 2019年07月30日10:36
アジア初のティラノサウルスの足跡が中国で発見

中国内外の古生物学者は29日、江西省◇州市(◇は章に夂の下に貢)で巨大な恐竜の足跡を発見したと発表した。これは中国さらにはアジアで初めて見つかったティラノサウルスの足跡で、中国の白亜紀後期の恐竜の分布及び変化の研究に対して重要な意義を持っている。科技日報が伝えた。

この研究は中国地質大学(北京)の◆立達(◆は刑のへんにおおざと)准教授、英良世界石材自然歴史博物館の鈕科程執行館長、米コロラド大学足跡博物館のマーティン・ロックリー教授ら学者が共同で行った。関連論文は中国の権威ある学術誌「科学通報」に掲載されている。

ティラノサウルスは超大型の肉食恐竜で、獣脚類に属している。白亜紀後期の最後の300万年に生息し、今から約6550−6850万年前。その後白亜紀の大量絶滅によって姿を消した。その化石は主に北米の各地で見つかっており、アジアではその親戚であるタルボサウルスやアリオラムスなどが見つかっている。

◆氏は「ティラノサウルスの足跡を見つけることは、私の夢の一つだった。これらの足跡は非常に珍しく、中国の大半の恐竜の足跡はジュラ紀や白亜紀前期のものだ。白亜紀後期の足跡は非常に珍しく、ましてや食物連鎖の頂点に立っていたティラノサウルスならばなおさら珍しい」と述べた。

この標本は当初、現地の人が道路を敷設する際に発見した。◆氏は「この足跡の爪は尖っており、つま先が非常に発達している。これは足がしっかりしていたということだ。いくつかの指、特に第2指が非常に発達している。その近くには小さな、外に反った突起があった。これは親指の痕跡である可能性が高い。すべての証拠は、この足跡が米国で見つかったティラノサウルスの足跡と非常に似ており、ティラノサウルスが残したものである可能性が極めて高いことを示している」と指摘した。

古生物学者は足跡から、その持ち主の体長が7.5メートルに達すると推測した。このサイズは◇州現地で見つかったティラノサウルス「虔州竜」の体長(約7.5−9メートル)に非常に近い。◆氏は「足跡と虔州竜の骨の化石が見つかった場所は、33キロしか離れていなかった。トップの捕食者の活動範囲を考えると、このエリアの捕食者は1種のみだった可能性がある。今回見つかったティラノサウルスの足跡は、虔州竜が残した可能性が非常に高い」と強調した。(編集YF)

「人民網日本語版」2019年7月30日

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