料理をするとPM2.5が発生するうえ、汚染レベルにまで達しうる。これはわざと人々を驚かせるような事を言っているのだろうか?最近、清華大学建築学院建築技術科学学部の趙彬教授のチームが体系的な研究を行った。中国婦女報が伝えた。
趙氏によると、中国の居住環境におけるPM(粒子状物質)の主要な室内発生源は調理と喫煙。このうち調理が70%以上を占める場合もある。
専門家の研究では、調理時の台所ではPM2.5平均濃度が数十倍から数百倍にまで上昇。数百~数千μg/m3にも達しうる(中国ではPM2.5濃度は250μg/m3以上が「重度汚染」とされる)。
趙氏によると、このような高濃度のPM2.5環境下では、短期間でも長期間でも呼吸器、心臓血管関連の機能が損なわれる恐れがある。また、調理時に発生する多環芳香族炭化水素や重金属はPMの表面に付着し、PM2.5に「相乗り」して人体に進入。DNAの酸化損傷を引き起こし、肺ガンのリスクを大幅に増加させる。
一生ご飯を作らないのは不可能だ。ではどうすればいいのか?チームはいくつかの解決策を示した。まず、クリーンな燃料(天然ガス、LPガス、都市ガスなど)を使用して料理をすることで、PM2.5の排出を1~2レベル減らすことができる。こうしたクリーンなガスやIH調理器を使用すると、より健康的だ。
次に、炒め物を作る際に生じるPM2.5の重量は蒸し物や煮物と比べ同じ時間で40倍以上になる。家庭では蒸す、煮るといった、より「穏やかな」調理法を多く選ぶよう提案する。
フライパンなどに食材を入れるタイミングも大切だ。一部の人は油から煙がはっきりと出て初めて食材を投入する。この時点で油の温度はすでに「発煙点」を超えており、その煙には発ガン性物質を含む多くの有害物質が含まれており、この過程で放出される多環芳香族炭化水素はタバコ25~70本にまで相当する。油の温度を「発煙点」以下に抑えた場合と比べ、同じ時間内に放出されるPM2.5の重量は300倍以上にもなる!調理時には、フライパンなどに油を入れて、その表面の揺れが激しくなってきて、まだ煙が出ていない時に食材を入れるのがオススメだ。
最後に、料理用油の種類にもこだわるといい。研究によると油を加熱して発煙するまでの過程で、常用の料理用油数種類のうち、単位時間内に発生するPM2.5の重量が最大なのはオリーブオイルだった。
火を消した後すぐに換気扇を閉める人も多い。趙氏は、調理終了後も5~15分間換気を続けることを提案する。(編集NA)
「人民網日本語版」2019年7月9日