16年封切りの「君の名は。」は光線伝媒が評判と収益を獲得した代表的作品で、配給権を獲得するために約1900万元を支払っただけで、5億7500万元の興行収入を獲得した。これと対照的なのは18年1月封切りの国産アニメ「大世界」で、第54回台北金馬映画祭で最優秀長編アニメ賞を受賞し、第67回ベルリン国際映画祭では金熊賞に選ばれたが、中国国内での興行収入は累計262万5千元にとどまった。
▽中国版ディズニーを目指す
光線伝媒のアニメ事業の目下の発展状況と今後の計画について、王会長は、「今後の発展方向については以前からしっかり計画を立てており、いろいろな公の場でも明らかにしてきた。ディズニーのようなエンターテインメントメディア集団になりたい」と話す。
光線伝媒の18年決算でも、「アニメ事業ブロックは企業の水平型事業において優位性が最も目立つ事業ブロックであり、発展の潜在力を大いに備えた事業ブロックの1つでもあり、企業の利益率を向上させ、その他の事業を駆動させ、業界での地位を固める上で持続的に非常に大きな寄与をしてきた」としている。
中国版ディズニーへのさらなる発展に向けて、現在の光線伝媒は各方面の事業展開も進めており、コンテンツを持続的に打ち出すだけでなく、派生商品、ゲーム、ライブ配信など一連の汎エンターテインメント事業も手がけるようになった。18年決算によれば、テレビドラマ事業の収入は前年比656.37%増加し、映画と派生商品事業の営業収入は同12.99%減少し、ゲームと派生商品の営業収入も同49.23%減少した。またかつて光線伝媒の映画派生商品を取り扱う唯一のオンラインプラットフォームだった光線旗艦店は、2年前にすべての商品がプラットフォームから消え、今は同店を検索しても情報が出てこない。
これはつまり、光線伝媒が中国版ディズニーになるのは簡単ではないことを示している。投資アナリストの許杉さんは、「ディズニーのコアはコンテンツにあり、位置づけが明確だ。各ブロックの事業もコンテンツをめぐって運営が行われ、全体として高い市場競争力を形成し、より大きな市場価値を生み出している。光線伝媒は今の段階ではコンテンツの面においてさらなる強化が必要だ。これと同時にコンテンツの位置づけをより明確にして、関連事業のさらなる展開を進める必要がある」と述べる。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年6月25日