被害者は今でも当時の非人道的な扱いを忘れない。(撮影・馮■<草かんむりに凡>)
中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞紀念館によると、同館の分館・南京利済巷慰安所旧址陳列館の館員がこのほど湖南省岳陽市で、旧日本軍の「慰安婦」制度の被害者5人を新たに確認したという。95歳の凌さんと余さん、102歳と高齢の劉さん、99歳の楊さん、92歳の呉さんだ(年齢は中国の数え方による)。中国新聞網が伝えた。
記念館の統計データによると、今年確認された100歳を超える劉年珍さんは、確認された大陸部で最高齢の旧日本軍「慰安婦」制度の被害者だ。
1918年4月に生まれた劉さんは、今でも当時の情景をありありと覚えている。1944年の秋、旧日本軍が劉さんの故郷・岳陽にやって来た。知らせを聞いた村民たちは急いで逃げて身を隠した。劉さんも逃げようと思ったが、他の女性数人と一緒につかまってしまい、山中にある小屋に閉じ込められた。
劉さんが逃げないようにするため、旧日本軍は劉さんの両手と両足を縄で縛って動けないようにした。そうやって7~8日から10数日も閉じ込められたが、何日だったかはっきり覚えていない。その間、ずっと旧日本軍に屈辱的な扱いを受けたという。ある晩のこと、隙をうかがって脱出し、山を駆け下りて家に帰った。やがて結婚したが子どもはできず、弟のところから養子をもらい、今はこの子が劉さんの面倒をみている。
同記念館の関係責任者は、「戦争の被害者は年々高齢化しており、記念館と館員にとって時間との競争が続いている。各地のボランティアとともに存命の『慰安婦』制度被害者を捜し当て、彼女たちの歴史の証言を後世に残したい」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年5月11日