アメリカ航空宇宙局(NASA)の衛星データから、2000年から2017年までに世界で新たに拡大した緑化面積のうち、中国が約4分の一を占め、中国の寄与率は世界トップであることが明らかになった。専門家は、その背景には、中国が植樹・造林や集約農業の分野で顕著な実績を残しているためだとの見方を示している。新華社が伝えた。
NASAをはじめとする機関の研究者で構成された研究チームが英誌「Nature Sustainablity」最新号に発表した研究論文によると、彼らは、NASAの観測衛星「アクア衛星」と「テラ衛星」の観測データから、2000年から2017年までに、世界の緑化面積が5%増加したことを突き止めた。世界の陸地緑化面積のうち中国とインドが占める割合は9%という状況にも関わらず、世界の緑化拡大面積に占める寄与率は約3分の一に上っている。
このうち、中国の緑化拡大面積は、世界全体の約4分の一を占めている。分析データによると、中国の緑化拡大面積のうち、42%は植樹・造林によるもので、32%は集約農業による。インドの緑化拡大面積のうち82%は集約農業によるものだった。集約農業によって、農民は、同一面積の土地で、より多くの農作物を栽培することができる。
論文筆者の一人であるNASAエイムズ研究センターのRamakrishna Nemani氏は、「地球の緑化面積が増加していることが分かった当初、研究チームは、気候温暖化などの環境要因によって植物の成長が促進されたことによるものだと認識していた。だが、衛星のデータを分析した結果、人類の緑化活動が大きく寄与していることが判明した」と指摘した。
研究チームは、「中国とインドはいずれも人口大国であり、人口大国が土地の行き過ぎた利用によって土地の退化がもたらされるという問題を心配する意見がある。ところが、今回の研究結果は意外なものだった。分析によると、中国とインドがこの十数年間に栽培した農作物の土地面積にはそれほど大きな変化はなかったが、両国の緑化面積と穀物生産量はいずれも、大幅に増加した」としている。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年2月14日
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