肥満と各種疾病との相関関係は広く知られているが、複数の研究から、肥満もしくは重症肥満の人が感染症を患った際の生存率は、往々にして標準体重の人より高いことが分かっている。シンガポールの華字紙「聨合早報」の報道を引用して中国新聞網が伝えた。
デンマークの医学研究チームは、2011年から2015年まで、病気に罹患している1万8千人を対象とした研究を行った。この結果、感染症に罹患して入院した肥満者が死亡に至る確率は、標準体重の患者より40%低いことが判明した。重度の肥満者の場合、その確率はさらに低く50%に上った。
また、2013年から2014年にかけて米国の病院100ヶ所を対象として実施された調査研究によると、肺炎による入院約170万例のうち、肥満患者あるいは重度の肥満患者が死亡する可能性は、標準体重の患者に比べて2割から3割程度低かった。
研究チームは、「呼吸器を使っていない(つまり病状が比較的軽い)患者のうち、肥満者の生存率は、標準体重の患者に比べて23%、重度肥満者の場合は29%、それぞれ高かった。一方、呼吸器を使用している重症患者においても、肥満患者者の生存率は21%、重度肥満患者の生存率は30%で、標準体重患者より高かった」と指摘した。
米国の病院1千軒に入院している370万例の敗血症(Sepsis)患者のデータをもとに取りまとめられた研究報告でも、上述の研究2件と同様の結果が得られた。
敗血症とは、免疫システムが誤作動を起こして患者自身を攻撃する病気で、生命に危害が及ぶ恐れがある。今回の研究報告では、「標準体重の敗血症患者に比べて、体重超過または肥満の患者よりの生存率は高い」と指摘されている。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年6月4日
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