米医学生物学誌「Cell」に3日発表された科学研究報告によると、長期にわたるストレスや夜勤などの状況が、体内のグルココルチコイドが不適切なタイミングで過剰に分泌することを招き、それにより脂肪細胞の数が増加し、太る可能性があるとしている。新華社が伝えた。
これまでの研究によると、ストレスによって、血液中のグルココルチコイドの量が増加、グルココルチコイドは前駆細胞を脂肪細胞に変える作用があることから、ストレスを受けることと肥満との間に相関関係があると言われてきた。だが、これまでは、運動などの短期的ストレスは肥満の原因とならない一方で、昼夜逆転や夜勤などの長期的ストレスは肥満と相関性がある理由については、明らかにされていなかった。
米スタンフォード大学のメアリー・テルエルの研究グループは、今回の研究から、この謎を解く鍵は、グルココルチコイドが分泌する時間にあることを突き止めた。健康な人の場合、グルココルチコイドの分泌レベルは、24時間以内で一定のリズムで増減しており、午前8時が最も高く、翌日午前3時に最低となり、5時間後に再びピークを迎える。だが、昼夜逆転や夜勤などの原因によって、本来ならばグルココルチコイドの分泌レベルが最低の時間帯に、ストレスから過多に分泌されると、より多くの前駆細胞が脂肪細胞に変わってしまう。
動物実験によると、マウスの正常なグルココルチコイド分泌リズムをかく乱させると、マウスの脂肪は2倍に増えて太った。だが、分泌レベルの正常なリズムが保たれている状況で、もともと分泌レベルがピークの時に、たとえ通常レベルの40倍のグルココルチコイドを注射しても、脂肪の増加は見られなかった。
テルエル氏は、「ストレスが生じる時間帯が最も重要なポイントだ。もし、昼間に分泌量が増えた場合は、ストレスが非常に大きい、あるいはグルココルチコイドを使ったリューマチや関節炎の治療中であっても、肥満になるとは限らない。しかし、夜間に長期的なストレスを受けている、あるいはグルココルチコイドを使用している場合は、体重が増加する可能性は高い」と指摘した。研究グループによると、今回の研究成果は、医療分野で応用可能であり、タイミングさえ間違わなければ、ホルモン療法によって生じる肥満という副作用を避けることができるという。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年4月13日
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