米国のある研究から、外食や食事デリバリーを多用すると、可塑剤と呼ばれる有害物質フタル酸をより多く摂取する可能性が高いことが明らかになった。研究チームは、「外食を100%シャットアウトする必要はないが、自分調理した食べ物を可能な限り食べる方が良いことを知ってほしい」としている。新華網が伝えた。
英デイリーメール紙は29日、米カリフォルニア大サンフランシスコ校の研究結果を引用し、「外食は、家での食事に比べ、フタル酸を35%も多く摂取する可能性がある」と報じた。可塑剤として広く使われているこのような化学物質は、体内でエストロゲンに似た作用を及ぼす可能性があり、内分泌系の働きを阻害し、男性の生殖障害の原因となり、女性の乳がん罹患リスクを高める恐れがあることが、研究から明らかになった。
ジュリア・コワルスキー博士率いる研究チームは、被験者10253人の食事状況について調査を進め、彼らの尿に含まれるフタル酸の量を測定した。その結果、外食による影響が明らかになったほか、青少年に対する影響がより大きく、青少年の場合、家での食事で摂取するフタル酸の量より、外食では55%も多く摂取する可能性があることが判明した。
研究チームは、「外食とフタル酸の摂取との関係性については、外食の際には、使い捨てプラスチック食器や手袋、食品加工設備などのプラスチック製品に接触する機会が多いことが要因のひとつとなっている」と指摘した。
コワルスキー博士は、「妊婦や子供、青少年は、ホルモンの働きに悪影響を及ぼす化学物質の害を受けやすい。これらの人々のフタル酸摂取を減らすことは、とりわけ重要だ」と強調している。
博士は、「外食や食事デリバリーは一切利用してはならない」と訴えている訳ではなく、自分たちの研究を通して、「家で食事をするとフタル酸の摂取を減らすことができる」という事実を知ってほしいとしている。また、フタル酸による危害を抹消する根本的な方法は、食べ物の供給源から汚染を減らすことだと指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年4月2日
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