ドバイでは、石油が産出されないばかりか、土地自体の経済的価値が非常に低い。大規模な開発がドバイで行われる以前、わずかな面積の砂地でナツメヤシが栽培されている以外では、国内のほとんどの地域は痩せた荒涼とした砂漠が広がっているだけだった。最初に中国大陸部の人間が砂漠にやって来た時、極めて廉価で現地住民から砂地を借り上げ、その砂地を改良して地下水を掘り、野菜や果物を植えた。アラブ人から見ると、それは想像の域を超える作業だったが、遠方からはるばるこの地を訪れた中国大陸部の人間の手で、それは現実のものとなった。台湾・中時電子報の報道を引用して参考消息網が伝えた。
英エクセター大学人文学院の助教は、「仕事でドバイを訪れる前は、こんな砂漠のど真ん中に建設された都市について全く何も知らなかった。自分にとって初めてのフルタイム職の面接場所がここで、ゼイド大学ドバイキャンパスでの仕事だった。面接から1ヶ月後、大学から3年契約での採用通知が届いた。ドバイに落ち着いた後、初めてした事は車を借りて温州スーパーに行くことだった。
温州スーパーはドバイ国際城内にある。同スーパー近くの目印は、竜城ショッピングセンターだ。世界最大規模のドバイ・ショッピングセンターとは異なり、竜城ショッピングセンターは、中国日用雑貨を取り扱う市場のようだ。現地に住む中国人で、温州スーパーを知らない人はいない。温州スーパーはさらに小規模で、総面積は150平方メートル未満くらい。商品棚が隙間なく並んでおり、間にある通路は2人並んで歩けないほど狭い。同スーパーは外側と内側の両エリアに分かれており、入り口を入ったところには、おやつや乾物が所狭しと並べられ、内側では、穀物、食用油、生活用品が販売されているほか、果物と野菜がその半分を占めている。
ここで野菜や豆類を購入する人は、建築現場で大陸部からの労働者のために料理を作る調理師や遠方から異郷に嫁いできた主婦だけではなく、評判を聞いてやって来たアラブ人や他国の人々など、さまざまだ。
大陸部の人々と砂漠との不思議な縁があり、現地温州スーパーの商品棚に並んだナス、セロリ、赤唐辛子などは、中国から遠く離れたドバイで、世界各地からやって来た各職業の人々にとって共通の、最も根源的な「夢」を与えている。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年9月12日
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