先ごろ開催された2017網易経済学者年会夏季フォーラムにおいて、中国社会科学院の蔡●副院長(●は日に方)は、「現在のトレンドから見れば、GDPの成長にしても、PMIの変化トレンドにしても、中国経済の下落態勢はすでに収まったが、V字回復によってかつての高速成長に戻るということはありえない」と指摘した。経済参考報が伝えた。
蔡副院長は、中国経済は今世紀に入って以来、特に最初の10年間で、かつて高度成長期に頼りとなっていた人口によるボーナスは急速に消失しつつあるとし、こうした傾向は、労働力のコスト向上、人的資本の不足、資本収益率の下落などの面で主に目にすることができるとした。そして、中国の生産要素の供給と配置状況から推定すれば、潜在的な成長率は長期的な下落態勢にあるとの見方を示した。
さらに蔡副院長は、「一つの健全なエコノミーの実質成長率はその潜在成長率と一致するべきだ」とし、潜在成長率の長期的な下落傾向によって中国経済の成長幅も長期的に低下すると推定している。
実質成長率と潜在成長率との関係については、経済の実質成長率が潜在成長率と一致する場合、両者には差はなく、経済成長の穴がないことを意味している。逆に、一致しない場合、穴が生まれ、その穴を埋めようとするむなしい期待が生じるが、実はこういった期待は抱くべきではない。
蔡副院長は、潜在成長率から見て、将来的な成長率は緩やかな下落傾向となっているが、しかしこれは長期的に見て存在するL字型の変化かもしれず、もしそうであれば、これは最も良い結果だと指摘している。(編集HQ)
「人民網日本語版」2017年8月16日
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