シンガポールの中国語紙「聯合早報」のサイトの報道によると、中国の一線都市で不動産価格が高止まりしていることや、1990年代生まれ(90後)が質の高い生活を追求し、上の世代とは異なる考え方をすることなどから、若い世代の間で賃貸ブームが起きている。業界関係者は、「良好なビジネスモデルができあがり、政策的支持が得られれば、若い世代の賃貸暮らしは一線都市の賃料と不動産価格を抑制するよい方法になるかもしれない」との見方を示す。参考消息網が伝えた。
中国社会科学院の社会青書にある調査結果をみると、90後の大卒者の約30%は、卒業から1年後の居住空間が20平方メートルに満たない。だが彼らは面積の大小より、生活の質を高めることを重視する。このような従来の世代に比べて個人の価値観をより重んじる90後の大卒者は、「家を買わない世代」になる可能性があるという。
調査によれば、自分の家をもつことが、90後大卒者にとって硬直的需要であることは変わらないが、「家を買うために、生活の質を下げてもいい」と考える人は3分の1にとどまり、55%以上が「重い住宅ローンを背負うくらいなら、家を買わなくていい」と考えている。
実際、一線都市で年収の40数倍にも高騰する不動産価格が、若い人々の不動産購入の能力や意欲に影響を与えている。データによると、2013~16年に、北京と上海では初めて家を買う平均年齢が30歳から34歳に上昇した。若い人の賃貸暮らしの期間が長くなったということは、賃貸暮らしがそれなりに認知されてきたことを意味してもいる。
国家衛生・計画生育委員会が発表した流動人口発展報告によれば、中国の15年の流動人口は2億4700万人を数え、20年は2億8200万人、30年は3億2700万人に増える見込みだ。つまり、十数年後には、人口の5分の1が一つ所にとどまらない生活を送るようになるということだ。
報道によると、人口の流動が頻繁になる中、賃貸住宅が多くの人々の暮らし方の有力な選択肢であることは間違いない。中国の不動産仲介会社・鏈家が発表した報告書では、中国の15年の賃貸住宅利用者は1億6千万人に迫り、20年は1億9千万人、30年は2億7千万人に増える見込みとしている。
膨大な賃貸利用者のクラスター、90後を中心とした賃貸族の物件に対する嗜好が、若い世代の賃貸市場に対する大手不動産企業やホテルグループやインターネット企業の情熱をかき立てている。
偉業我愛我家集団の胡景暉副社長は取材に答える中で、「これまでになく厳格な不動産購入政策も一連の不動産企業が在庫物件を分譲から賃貸に切り替えるきっかけの一つとなっている」との見方を示した。調査によれば、中国の不動産企業上位30社のうち、3分の1が賃貸市場に相次いで進出したという。
報道によると、不動産企業だけでなく、インターネット企業も賃貸市場のバージョンアップに期待を寄せている。「支付宝」(アリペイ)は賃貸仲介プラットフォームの■(■は草かんむりに磨)菇租房と提携して賃貸市場に進出し、小米の創業者・雷軍氏は賃貸ブランドのYOU+国際青年公寓に1億元(約16億6千万円)規模の投資を行った。また一連の有名ホテルグループが窩趣や魔法公寓のような単身者向け賃貸コミュニティブランドを誕生させた。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年7月20日
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