世界観光機関(UNWTO)が先ごろ発表した報告書によると、中国大陸部の観光客の2016年の海外消費総額は12%増の2610億ドル(1ドルは約112.2円)にのぼり、13年連続で2桁の成長率を記録した。米コンサルティング会社がこのデータをさらに分析したところ、中国人客の海外ショッピングが観光支出全体に占める割合は、2015年の41%から2016年の33%に低下し、8ポイントも落ちていることが分かった。海外ショッピング消費額と、その海外観光支出全体に占める割合が同時に低下し、中国人客の海外ショッピングの意欲低下という重要な傾向が浮き彫りになった。経済日報が伝えた。
中国人客の海外旅行目的ランキングを見ると、「ショッピング」は2015年の2位から2016年の3位に下がり、「観光」と「レジャー・娯楽」の下につけた。これは中国人客の海外観光がより理性的になり、以前に比べ質の高い旅行をするようになったことを、客観的に反映しており、他国の自然景観と名所旧跡の観光、異郷の風土と文化の体験をより重視していることが分かる。このように中国人にとって海外旅行は単なる「ショッピング旅行」ではなく、視野を広げ人生の体験を充実化させる機会となっている。
「爆買い」に別れを告げ、海外旅行を旅行そのものに回帰させる。これは中国人客が自国ブランドの消費に、自信をつけていることを反映している。過去を振り返ると、中国人は長期滞在にせよ短期旅行にせよ、国内にお土産として「舶来品」をもたらしていた。今や観光客の消費意欲に激変が生じ、「爆買い」のリズムが緩慢になっている。
率直に言えば、「メイド・イン・チャイナ」の国際的なイメージと影響力の向上に伴い、消費者は国内で高品質の商品を手にしやすくなった。実店舗にせよネット通販にせよ、消費者はお気に入りの商品を便利に購入でき、アフターサービスの不足を心配する必要もない。筆者の友人は毎年、米国を何度も訪れるが、帰国する際には常に軽装だ。その理由を聞くと「何も買いたいものはない、あっちにあるものは国内にもある」と話した。確かに世界はすでに地球村になっており、国内で世界各地の商品を購入できるため、わざわざ海外で買い物するまでもない。
さらに重要なのは、「メイド・イン・チャイナ」の質向上に伴い、国産ブランドが大きく変わっていることだ。海外ブランドと比べ劣ることはなく、「青は藍より出でて藍より青し」になっている。例えばある国産ブランドの携帯電話の限定版の価格は、海外で1000ユーロ(1ユーロは約129.3円)を超えており、アップルの価格を大幅に上回る。それにも関わらず、その卓越した品質により国内外の多くの消費者を引きつけている。このように「メイド・イン・チャイナ」はすでにコストパフォーマンスが高いだけでなく、より高級でレベルの高い商品となっている。高品質・高コスパの「メイド・イン・チャイナ」が購入できるようになるにつれて、海外でのショッピングだけにこだわる必要はますます無くなってくるだろう。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年7月18日
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