中国のネット通販が現在スイスで人気上昇中だ。なぜならその商品の品ぞろえが非常に豊富で、価格も非常に安いからだ。例えば、アリババグループの海外向けECサイト「全球速売通(アリエクスプレス)」では、スマートフォン用充電ケーブルが、送料込みわずか0.8スイスフラン(約92円)で販売されている。中国のショッピングサイトから直接購入して、価格的な恩恵にあずかるスイス人がますます増えるのは、全く理に叶ったことだといえるだろう。スイス放送協会ドイツ語放送(SRF)の電子版報道を引用して参考消息網が伝えた。
スイスポストの最新データからもこのような状況を読み取ることができる。2015年、アジア地域からスイスに配達された小包は約600万件、2016年には900万件に増えた。専門家の予測によると、今年は1200万件に達する見込みで、わずか2年で倍増することになる。
スイスポスト国内・海外小包業務部のStefan Luginbuehl氏は、「我々は、この成長スピードが当面続くと予想している」とコメントした。
チューリッヒ・ミュリゲンにあるスイスポストの国際郵便センターでは、重量2キロ以下の国際小型小包の3分の1は、アジア地域から配達され、そのほとんどが中国からのものだという。現在、スイスポストでは、1日あたり約3万2千件のアジアから届く小包を処理している。
SRF(電子版)の報道によると、スイスEコマース業協会は、中国から大量に届く小包に対し、大きな懸念を抱いているということだ。同協会のパトリック・ケスラー会長は、スイス小売業が直面している競争の劣勢について、「中国の小売業者がスイスに重量2キロ以下の小包を送る場合、送料はわずか1.7スイスフラン(約195円)で済む。一方、スイスの小売業者が同じ荷物を国内配送する場合、5スイスフランから7スイスフラン(約575-805円)かかる」と指摘した。この理由は、郵便システムにおいて、中国が新興国ランクに組み入れてられており、低料金という優遇措置が適用されていることによる。このほか、中国のEコマース企業が関税と増値税の免税上限をうまく利用していることにも起因する。商品価格が62スイスフラン(約7100円)以下の商品は増値税の免税対象となり、関税が必要ない。
だが、中国の小売大手と比べ、スイスのEコマース企業は、商品の返品・交換サービスの面においては優位だ。ショッピングサイトBrack.chのマーカス・マーラーCEOは、このような状況においても、中国のEコマース企業を恐れる必要はないとしている。また、2019年から、中国の商品を扱う海外のEコマース企業とアマゾンショッピングサイトも、スイスで増値税を納めなければならなくなる。徴収額は1個につき1スイスフラン(約115円)から、スイスでの販売価格10万スイスフラン(約1150万円)までが対象となる。だが、このような状況においても、アリエクスプレスなどのショッピングサイトは、依然として低価格での販売を維持できるようだ。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年6月27日
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