政府の統計データによると、海外の学校を卒業後、帰国を選択する中国人留学生は増加の一途をたどっており、「中国での就業の将来性は、国内の方が海外より高い」との見方を示す人は多いという。香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(南華早報)」の報道を引用して参考消息網が伝えた。
政府が今月発表したデータによると、2016年に海外で学んだ中国人留学生のうち、「卒業後帰国した人」の割合は82.23%に達し、2012年の72.38%を大きく上回った。
留学と仕事でニュージーランドに17年以上滞在していた武漢出身の陳さんは、4ヶ月前に中国に帰国した。彼は、中国の経済力がより強大になってきているため、キャリア発展のチャンスも増えていることが帰国の理由だと話した。
プロジェクトマネージャーの仕事をしている陳さんは、「私が北京に戻ってきた理由は、北京の雰囲気が好きだから。ここにはより多くのビジネスチャンスが転がっていると思う」と語った。
陳さんによると、他の若い中国人もニュージーランドを離れたという。その理由は、ニュージーランドの市場があまりにも小さいからだ。「ほとんどの中国人が、ニュージーランドでちゃんとした仕事を得ることができなかったため、帰国の道を選んだ。現実は極めて過酷だ」と彼は続けた。
長沙出身のオリバーさんは2年前に米タフス大学を卒業した後、中国に戻って就職し、現在は上海でかなり大規模なビジネスを展開している。オリバーさんは、「米国で仕事をした経験から、米国で中国人がキャリアを発展させる限界をひしひしと感じた」と述べた。
オリバーさんによると、米国の大学を卒業後1年間はインターンシップを行うことができるため、大陸部出身の中国人学生の半数は米国に留まるという。
21世紀教育研究院の熊丙奇副院長は、「海外の就職市場は激増する中国人学生を受け入れる余地がもはや残されていない。留学生の圧倒的多数が奨学金を得て学んでいた昔とは違い、今では、子供を留学させる経済力を備えた裕福な中国人の親が増加している」と話した。
熊副院長は、「ごく普通の能力を備えた学生の海外留学が数年前から増加しており、その多くが卒業後帰国している。このような状況から、留学生の総数はかなり増加している」と続けた。
中国教育科学研究院の儲朝暉研究員は、「これらの帰国生は、中国国内でより多くの資源とより質の高いネットワークを通じて仕事を探している。彼らは帰国後も、裕福な親の社会資源に頼っていくことができる」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年4月19日
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