2016年は、中国政府が「両孩政策(1世帯につき子供2人までの出産を全面的に認める政策)の実施に踏み切った最初の年であり、「単独両孩政策(夫婦のどちらかが一人っ子の場合、第2子の出産を認める政策)」施行から3年目の年でもあった。同年、中国の新生児数は2000年来の最高を記録した。国家統計局が実施した1パーミルのサンプリング調査で得られた統計データから、2016年に出生した新生児の総数は1786万人に達したとみられる。中国国家衛生計画出産委員会(以下、「国家衛計委」と略)の統計データによると、2016年、中国全国の病院で出生した新生児の数は1846万人と、「二人っ子政策」の効果がしっかりと現れ、ほぼ予測通りとなった。
中国における計画出産調整政策が整えられたことで、2人目の子供の出生数があきらかに増加した。2013年まで、通年の出生総数に占める2人目の子供の割合は、30%前後を維持していた。2015年から2016年にかけて、この割合は10ポイント以上上昇し、45%を上回った。統計データによると、2011年から2015年までの間に、出産適齢期の女性は約350万人減少、2016年から2020年までは年間約500万人減少すると予想されている。だが、「二人っ子政策」の全面実施によって、中国の新生児数は安定した増長傾向を維持する見通しで、政策の効果が顕著に現れている。
とはいえ、関連する経済・社会政策と、出産・子育てに対する人々の願望との間には、まだかなりのギャップが存在しており、さらなる関連政策・措置の完備が求められている。2015年に国家衛計委が実施した大規模な出産・育児願望に関する調査によると、「2人目の子供を産み育てたくない」とする夫婦の主な理由として、「経済的負担(74.5%)」「時間的・精神的エネルギーがかかりすぎる(61.1%)」「子供の面倒を見てくれる人がいない(60.5%)」などが挙がった。子育てのプレッシャー、高い教育費、女性のキャリア発展、生活の質の追求といった要素は、子供を産み育てることによって生じる制約を強めているようだ。
ある調査によると、教育費はすでに、中国の世帯平均収入の約50%を占めるまでとなり、教育支出が世帯にとって最も大きな負担となっている。保育サービスが不足している状況はかなり深刻であり、0歳から3歳の子供が国内の各種託児施設に入園できる割合はわずか4%と、先進国の割合(50%)に比べるとはるかに低い。中国国務院の40数部門は、すでに育てしやすい社会環境を創り上げ、2人目の出産・育児を人々に奨励するために、明確な職務分担を指示、関連政策体系を構築している。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年2月28日
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