米ブリガム・ヤング大学(BYU)の研究チームはこのほど、学術誌「Molecular & Cellular Proteomics」において、摂取カロリーを減らすことで細胞の老化に及ぼす影響に法則性があることを発見した主旨の研究報告を発表した。同報告によると、細胞の中のタンパク質が合成されるリボソームの働きが緩やかになると、老化のスピードも減速する。というのも、リボソームの作用が緩慢になるほど、細胞の自己修復期間が長くなるためだ。新華社が報じた。
研究メンバーの一人であるBYUバイオケミカル学科のジョン・プレスコット教授は、次の通り説明した。
「リボソームは、細胞全体のカロリー総量の10%から20%を使ってタンパク質を合成し、正常な細胞の機能を維持している。リボソームは、自動車のように定期的なメンテナンスが必要で、損傷してから交換するペースが最も速い『部品』といえる。自動車のタイヤが磨耗したときのように、車両全体を取り換えるのではなく、タイヤだけを交換する。『部品』の定期メンテナンスによって、リボソームが質の高いタンパク質を合成し続ける期間がより長くなり、それによって、細胞ひいては体全体の健康が維持できる」。
それでは、どのようにしてリボソームが作用するスピードを減速させ、細胞の自己修復期間を長くすることができるのだろう?研究チームによると、マウスによる実験でカロリー摂取量を減らせば、この効果が高まることが判明したという。彼らは、マウスを2つのグループに分け、1つのグループには好きなだけ餌を食べさせ、別のグループにはカロリーを35%減らした食事(生命を維持するには十分なカロリー)を与えた。この結果、カロリー摂取量を減らしたネズミの寿命は、カロリーを減らせば減らすほど伸びることが分かった。
プレスコット教授の研究チームの当初の研究課題は、カロリー摂取量の減少と寿命の延長との相関関係を研究することではなかった。だが、彼らが最初にタンパク質合成の減速プロセス全体に注目したとき、このような老化が遅くなる過程でリボソームが果たす作用を確認した。研究では、カロリー制限と長寿との関係性が示されているが、プレスコット教授は、「その意義は、『永遠なる青春時代』を保つことを目指して食事のたびにカロリー計算をするよう人々を仕向けることではない。誰もが自分の身体をコントロールすることの重要性を理解し、食べ物を選ぶ時の参考としてくれたらと願っている」と語っている。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年2月22日
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