少しでもいい観測データを得るため、一部の都市では車両の通行禁止や清掃車による重点的な水撒きを行うなどして大気品質観測地点の周辺に的を絞った改善策を講じているといった多くの不正行為が先ごろ発覚し、その観測データの正確性に暗い影を落としている。科技日報が伝えた。
煙霧観測データの正確性について、中国科学技術部(省)社会発展科技司と科技日報社が開いた煙霧防止専門家座談会において、中国工程院院士、清華大学教授の■吉明氏(■は赤へんにおおざと)は「中国は世界最多の大気観測スーパーステーションを設置している。たとえば江門スーパーステーションは、広東省の大気品質、重度汚染予報・予防等の高い効果を発揮している。中国環境保護部(省)の陳吉寧部長によると、全国PM2.5観測ネットワークが構築されており、観測地点は北京・天津・河北に集中している」と指摘した。
地上観測地点の「正確な煙霧対策」問題について、中国工程院院士、清華大学教授の賀克斌氏は「地上観測地点のデータは、書き換えられる可能性があるが、宇宙の衛星がリアルタイムで伝送する環境データを書き換えることはできず、地上観測地点のデータと相互に裏付けを取ることができる」と述べた。
衛星環境リモートセンシング観測は、国内のさまざまな分野で応用されている。北京市環境観測センターの李倩氏は「我々は粒子状物質リモートセンシング観測ネットワークを構築した。これは衛星リモートセンシングと、地上リモートセンシングに分かれる。衛星リモートセンシングは宇宙から粒子状物質や煙霧などの大気中の成分の、汚染の過程を観測する。地上リモートセンシングレーザーレーダーの方が使用頻度が高く、光学観測の手段により汚染層の分布と汚染の移動を観測できる。現在、北京・天津・河北の汚染観測が一体化している。衛星は地域内の水平分布状況を観測し、レーダーは汚染物質の垂直分布状況を観測している。これによって、地域内の三次元立体化観測ネットワークを構築している」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年2月7日
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