商務部(商務省)の総合司と国債貿易経済協力研究院がこのほど共同で発表した「中国対外貿易情勢報告(2016年秋季)」によると、今年第1~3四半期(1~9月)の輸出入の減少幅は四半期ごとに縮小し、人民元建てで計算すると、第3四半期(7-9月)は前年同期比1.1%増加し、増加率は第1四半期(1-3月)を8.3ポイント、第2四半期(4-6月)を1.3ポイント、それぞれ上回った。比較の対象となる2015年9月以降の月間輸出入の基数が全体として高めだったため、第4四半期(10-12月)も輸出入にかかる下ぶれ圧力は引き続き大きいことが予想されるという。「中国証券報」が伝えた。
同報告書によれば、「輸出をみると、第4四半期は対外貿易の繁忙期で、クリスマスや正月などで出荷が集中し、輸出は引き続き安定回復し好転することが予想される。輸入は、主要輸入製品の価格が全体として回復上昇傾向を示し、輸出を支える一定のパワーになることが予想される。だが加工貿易の輸出が持続的に減少するなどの影響により、同期の輸入増加率は全体として低水準で推移するものと予想される」という。
中国国際金融股フン公司(フンはにんべんに分)の陳健恒アナリストは、「今年第3四半期以降、対外貿易輸出先導指数は改善傾向が続いた。これは先に人民元の実質有効レートの低下が輸出を活性化したことが原因とも考えられるが、同レートが徐々に安定に向かうにつれて、今後は人民元値下がりの輸出活性化作用が目立って低下し、輸出は弱々しい動きが続くことが予想される」と指摘する。
中国交通銀行の連平チーフエコノミストは、「安定成長政策の拡大と対外貿易促進政策の強化が、消費製品、不足する製品、重要な資源類製品の輸入を徐々に活性化してきた。対外貿易のバランスの取れた発展を促進し、輸入の規模を拡大し、不足する資源、重要設備、技術レベルの高い製品の輸入に力を入れれば、輸出増加を促進する役割を果たすことになる。総合的に判断して、輸入増加率は小幅に上昇するだろう」と予測する。
また連チーフエコノミストは、「自由貿易区総合プランの第3弾がまもなく認可され、試行地域が東部沿海地域から徐々に内陸地域へと拡大発展し、未来の対外貿易の発展を促進する役割を果たすことが予想される」という。
同報告書は、「今年第1~3四半期には、厳しく複雑な情勢に直面して、中国政府が対外貿易の安定成長と構造調整をさらに後押しする政策措置を打ち出し、各地域と各関連当局が政策を着実に実施し、その効果が徐々に現れてきた。対外貿易は安定回復し好転する動きをみせ、対外貿易の発展に向けた新たなエネルギーが蓄積されて、貿易構造の最適化がさらに進んだ」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年11月4日
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