中国科学技術部(省)は20日「中国地域科学技術進歩評価報告書2015」を発表した。報告書によると、全国総合科学技術進歩水準指数は前年比で2.94ポイント上昇の66.49%に達した。なかでも上海市は北京市を抜き総合科学技術進歩水準で1位になった。中部地区も比較的速いスピードでの成長を遂げている。光明網が伝えた。
中国科学技術発展戦略研究院副院長、同報告書編集委員会副主任の武夷山氏は「北京市と上海市は人的資源および研究開発機関の密集度、革新の取り組みの程度、技術成果拡散による波及効果、周辺地域への影響力で、その他の地域を大きく上回った。前年と比べ、上海は環境改善、科学研究、技術サービスが新規固定資産に占める割合などで大きな進歩を実現し、北京に代わり1位になった」と説明した。
中部地区も科学技術革新のペースを加速した。報告書によると、成長率が高く全国平均を上回ったのは、湖南省、河南省、重慶市、湖北省、山東省、安徽省、江蘇省で、うち4省が中部地区だ。武氏は「これは中部地区がハイテクの産業化や科学技術進歩環境指数などで、高い数値を示したからだ」と述べた。
しかし中国の科学技術進歩水準は、依然として大きな地域差を示している。66.49%という全国総合科学技術進歩水準指数を上回ったのは、全国でも上海市、北京市、天津市、江蘇省、広東省、浙江省のみだ。しかも青海省、雲南省、内モンゴル自治区、海南省、チベット自治区の総合科学技術進歩水準は前年より低下した。
また革新の主体である企業の革新力と製品の競争力の改善が遅れており、もう一つの懸念すべき問題となっている。
中国企業のR&D(研究開発)費が売上高に占める割合は0.84%で、前年比でわずか0.04ポイントの上昇に留まった。武氏は「先進国の経験によると、この割合が2%を下回れば、企業の革新は継続が困難だ」と指摘した。
中国企業の革新力の不足は、国際競争においてさらに顕著だ。報告書の「GDP1万元当たりの技術国際収入」指標のいわゆる「技術国際収入」とは、他国に特許権や商標権などの知的財産権を譲渡し、R&Dサービスやその他の技術サービスを提供して得た収入を指す。中国の同指数は1万元当たり6.15ドルで、前年の6.44ドルを下回った。
武氏は「上述したデータが反映している問題は、国内の大多数の企業と投資家が目先の利益を重視し、業界を寡占していることなどと関連している。ファーウェイのように巨額の研究開発費を投じる企業があまりに少なく、一部の企業は寡占のみで利益を出せ、革新のモチベーションが不足している」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年7月25日
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