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カナダの学者、南中国海問題でレッテルを貼る西側メディアを批判

人民網日本語版 2016年06月07日08:07

カナダの政治学者、デイヴィッド・ウェルチ氏は1日、マレーシア・クアラルンプールで開かれた第30回アジア太平洋円卓会議で、南中国海問題をめぐる西側メディアの報道について「中国に無闇にレッテルを貼り、事実を歪曲し、世論を惑わしている。中国をモンスター扱いすることが目的だ」と批判した。

会議終盤の同日、南中国海の安全と安定が議題となった。全体会議でカナダ・ウォータールー大学のウェルチ教授(政治学)は、南中国海問題において西側メディアが中国に「無闇に貼っている3つのレッテル」として、以下を挙げた。

(1)修飾語「全体」をこっそり加え、文脈全体を変える。「西側メディアの報道では『中国が南中国海全体の領有権を主張』といった類の言葉をよく目にするが、これは事実として誤っている。こうした事実の誤りは読者に、中国が南中国海を『中国の湖』に変え、南中国海の範囲内の全ての活動を規制しようとしているとの印象を与える。だが中国政府はこれまでそのような発言はしていないというのが事実だ」。

(2)形容詞「攻撃的な」をこっそり加え、人々に危機感を抱かせる。「西側の報道では『中国の攻撃的な行為』や『中国の攻撃的な埋め立て活動』といった言葉をよく目にする。『攻撃的』という語には、ある動機がこめられている。西側メディアはこの語によって南中国海における中国の行為に『攻撃的』とのレッテルを貼り、中国には攻撃的な意図があるとの印象を生じさせている。だが南中国海における中国の活動には様々な理由があり、攻撃的活動もあるかも知れないが、防御的理由もあるというのが事実だ」。

(3)習慣的に「脅威」をあらかじめ仮定することで、西側のいわゆる「航行の自由」を合理化する。「西側メディアは南中国海の航行の自由が『中国の威嚇と警告』の影響を受けていると慣例的に報道しているが、実際には、注意深く観察すれば、中国が自由航行に影響を与える威嚇や警告をしたことはないことに気づく。中国が正常な航行をする船舶や航空機を駆逐したことはないし、兵器級レーダーでこうした標的をロックオンしたこともない。自由航行の問題において中国は大変慎重に行動している。われわれのメディアは中国がどのように行動しており、なぜそのように行動するのかをよく議論すべきだ」。

ウェルチ氏は「西側メディアが南中国海問題で様々なレッテルを貼るのは、中国を悪者扱いすることが目的だ。だが悪者扱いは問題解決の助けにならない。誤った印象を生じさせたら、誤りを修正し、誤解を正すのにどれほどの努力が必要かをメディアは認識すべきだ」と述べた。

ウェルチ氏は南中国海問題に関して、建設的意見を集め、歴史、法律、心理学、政治学など様々な要素を考慮して、対話に十分な時間をかけるよう各方面に呼びかけた。また、仲裁方式は傷を深めるだけだとして、フィリピンと中国に対して、互いに善意を示し、踏み込んで協力し、対話による問題解決の道に早く戻るよう提言した。(編集NA)

「人民網日本語版」2016年6月7日

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