日本の書店をまわっていると、中国に関する他の書籍は少ないが、「三国演義」や「三国志」に関わる本だけは百種類以上もそろっていることに気付く。三国関連の書籍は17世紀に日本の僧侶が初めて日本語に翻訳したという。この翻訳本は羅貫中の「三国演義」と陳寿の「三国志」を参考にしたもので、日本でさらに転写が重ねられ、今に至るまで流行し続けている。その後も、全訳本や抄訳本が相次いで出版され、現代小説風に書かれたものや、若者向けの漫画本なども数千万冊の売上を記録している。近年では三国をモチーフとしたゲームもあり、次々と最新作が打ち出され、大人から子供まで楽しめる人気作となっている。中国市場で販売されている三国ゲームのほとんどは日本の作品だ。揚子晩報が伝えた。(文:孫曼)
このように三国文化が根付いた日本では、全国に三国ファンが存在している。自発的に組織された「三国志ファンクラブ」も100以上ある。日本の高校生を対象に行われた「あなたにとってヒーローは誰ですか」というアンケートでは、諸葛亮が9位にランクインした。三国志の最も感動的なシーンとして挙げられたのは「桃園の誓い」だ。日本のサラリーマンは企業のために日夜奮闘し、過労死する人まで出ているが、これも「臣は鞠躬尽力し、死して後に已む」の考えに影響を受けているという。