第10回G20サミットがトルコ・アンタルヤで行われ、首脳コミュニケが発表された。サミットの成果と中国の役割について、人民日報は米ピーターソン国際経済研究所のダグラス・レディカー研究員に話を聞いた。レディカー氏は世界経済の成長を信じており、世界経済ガバナンスの推進、世界経済の成長促進における中国の積極的な役割を高く評価した。人民日報が伝えた。
レディカー氏は「G20は現在の世界の財政・金融政策の調整と総合ガバナンスの最も重要なプラットフォームの1つであり、去年のブリスベンサミットで定めた成長目標はすでに約3分の1が達成された」と述べた。
力強く持続可能で均衡ある成長の実現は現在の世界経済成長の重要な目標だ。2014年のブリスベンサミットは2018年までにG20全体のGDPを追加的に2%増加するとの目標を定めた。レディカー氏は「少なからぬ試練に直面し、多くの不確定要因もあるが、この目標を達成できる可能性は高い」と指摘した。
現在世界経済の発展は依然多くの不安定化要因に直面している。レディカー氏は「途上国、特に新興国の経済は長年の成長を経て、現在は下押し圧力に直面しており、構造を調整し、新たな発展の原動力を掘り起こす必要がある。同時に先進国も経済改革を行う必要がある。例えばEU経済は構造的調整を行う必要があり、各加盟国の発展は依然不均衡で、パリ同時テロによってEU経済成長のリスク要因は増加した。米国は大統領選の年に入り、経済変動の恐れもある。日本の経済改革の成果は限定的であり、成長の将来性は一層複雑だ」と述べた。
こうした中、中国が中・高度経済成長を維持することの意義は一層際立つ。レディカー氏は「中国経済は私に深い印象を与えた。中国の民営企業は急速に成長し、アリババ、テンセントなど多数の企業が強大に発展し、経済発展の新たな原動力となっている。中国経済が今後7%前後の成長を維持することを私は信じている。もちろん中国経済もモデル転換期にあり、投資・輸出牽引型から消費・サービス業牽引型へと向かっており、その間にはモデル転換の痛みがあり、新たな挑戦がある。アンタルヤサミットにおける習近平国家主席の中国経済の成長についての自信ある説明は人々を安心させた。中国は名実ともに世界経済成長の重要な支えだ」と述べた。