第三軍医大学新橋病院(重慶市)で4日、約10年もの間植物状態だった楊馮霞さん(33)が、耳元で「火鍋」や「コーヒー」などとつぶやく父親の声に大きく反応し、意識を部分的に回復させた。中国新聞網が報じた。
馮霞さんは2006年、アクシデントで頭の外傷を負い、脳内出血が起きたため、意識を喪失。心臓は動き、呼吸もしているものの、「植物状態」になってしまった。18カ月に及ぶ治療の後、馮霞さんのバイタルサインは安定し、自宅に戻って両親が世話をするようになった。娘が回復するようにと、父親の楊大国さん(66)は貯金を全て使い果たし、親戚や友人からもお金を借りた。そして、毎朝5時に起き、馮霞さんの両手を引っ張って、体を起こした。12年4月29日、馮霞さんの母親は糖尿病が原因で死去。14年5月には、楊大国さん自身も胃を悪くし、手術を受けたものの、以前のような健康状態に戻ることはなかった。前出病院の神経外科の劉仕勇・副主任は、「馮霞さんが意識を部分的に回復させたのは、両親がリハビリや世話を続けてきたことと大きな関係がある。加えて、脳が9年近くかけてゆっくり修復した。しかし、馮霞さんの脳の機能はまだ深刻なダメージを受けている状態。これからも治療を続けることで、意識がさらに回復する可能性もある」と説明している。
「人民網日本語版」2015年11月5日