英国を公式訪問中の習近平国家主席は22日、ロンドン・ダウニング街の首相官邸で同国のキャメロン首相と会談を行った。両首脳は会談後、経済、貿易、文化などさまざまな分野で締結された協力合意約150件の調印の証人となった。金額は約400億ポンド(約7兆4337億円)に上るという。調印された合意をみると、かねてより注目を集めていた原子力発電所、石油、自動車などの分野の大型合意はもとより、文化、スポーツ分野での協力の「実」通し(見通し)にも同じく期待がもてる。「北京商報」が伝えた。
▽400億ポンドの大型合意 文化の香りが濃厚
今年は「中国・英国文化交流年」にあたり、習主席は現地時間の21日、ロンドンの金融街シティ・オブ・ロンドンで講演した際、中国で最近起きている「イングランドブーム」に言及することを忘れず、両国間の協力合意調印に濃厚な文化的な香りを演出した。これに先立ち、英国政府は両国の調印額は300億ポンド(約5兆5726億円)ほどになると見込んでおり、最終的に400億ポンドの大型合意に到達したことは全くの予想外だった。このうち、両国が文化の分野で調印・締結した一連の合意が大きな注目を集めている。国家新聞出版ラジオ映画テレビ総局と英国映画協会(BFI)は「中英映画協力覚書」に調印し、両国がともに関心を寄せるテーマで質の高い映画作品を共同製作することを奨励すると同時に、両国は自国での同作品の上映に便宜をはかるとした。
企業レベルでみると、マーリン・エンターテイメンツと華人文化産業投資基金が基金に投資して合弁会社を設立し、上海と周辺地域に新しい娯楽施設「楽高楽園」を建設するなどの娯楽プロジェクトを進めることになった。またBBCグローバルニュースリミテッドはSMG尚世影業、中国中央テレビ(CCTV)ドキュメンタリーチャンネルとそれぞれドキュメンタリー作品の合作などで協力することになった。中国保利集団もアンバサダー劇場グループと演劇作品の導入や劇場の管理などに関する協力合意に調印した。
▽「サッカー対話」協力の可能性は大
ここ数年、両国はサッカーをめぐってさまざまな交流や協力を展開してきた。12年には中英キャンパスサッカープロジェクトが始動し、英国は中国の末端レベルのコーチを対象にトレーニングを実施し、13年にはスター選手ベッカム氏が「中国青少年サッカー発展・中国スーパーリーグ普及大使」に任命された。今年9月には両国は青少年サッカーの「明日のスター」計画の了解覚書に調印した。